経験の伊調VS全盛の川井、運命のプレーオフ 佐藤満氏が語る3つのポイント

[ 2019年7月6日 05:45 ]

世界選手権の代表の座を懸けて6日激突する川井梨(右)と伊調(撮影・吉田 剛)
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 レスリングの世界選手権(9月14日開幕、カザフスタン)の代表決定プレーオフは6日、埼玉・和光市総合体育館で行われる。男女計6階級のうち、最大の注目は五輪4連覇中の伊調馨(35=ALSOK)と16年リオ五輪63キロ級女王・川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)が激突する女子57キロ級。88年ソウル五輪フリー52キロ級金メダリストでスポニチ本紙評論家の佐藤満氏(57)が技・体・心の3ポイントから試合を占った。

 【技】6月16日の全日本選抜決勝時にも指摘したが、現在の伊調の最大の弱点は姿勢の高さであることは間違いない。圧倒的なディフェンス力で無敵を誇っていた頃に比べ、腰高になったことで相手の攻撃をさばききれていない。スタンスを広げて、低く構えることができるかがポイントだ。一方、川井梨は攻めに工夫が必要だろう。リオを制した63キロ級では簡単に相手の懐に入れたかもしれないが、よりスピーディーな57キロ級ではタックルの入り方一つにもバリエーションが欲しい。

 【体】これは伊調に厳しい条件がそろう。先月16日から中3週。35歳の伊調がどこまでベストコンディションに仕上げられているか。計量も、リオ五輪までの前日なら試合までにリカバリーの時間があったが、現在は当日。試合までの時間は短く、伊調と24歳の川井梨では、その回復に大きな差があることは想像できると思う。従って、計量後の食事も含めたリカバリーと、疲労に留意しながら試合開始直後から動けるようなウオーミングアップの工夫と確認が、伊調のポイントとなる。

 【心】試合の流れの中でタフなメンタルを持っているのは伊調だと思う。ただし、攻め時を察しても、以前のように体はついていっていないことも事実だ。一方、川井梨は昨年12月の全日本選手権から3戦2勝と伊調に勝ち越しているが、あくまで挑戦者として挑めるか。一発勝負だけに、心理面が勝敗に占める割合は高いと思う。(88年ソウル五輪フリー52キロ級金メダリスト、元日本男子強化委員長、専大教授)

 ▽伊調と川井梨の対戦VTR 昨年12月の全日本選手権は第1ピリオドで伊調が場外に押し出され、0―1と追う展開に。第2ピリオドは互いに1点を奪い合って1―2とし、残り10秒で伊調が川井梨の右足をつかんで倒し、逆転勝ちした。今年6月の全日本選抜は川井梨が1―0の第2ピリオドでタックルからのローリングで5点をリード。最後はカウンターからテークダウンを奪われるなど1点差まで追い上げられたが、逃げ切った。

 ▽レスリング東京五輪への道 昨年12月の全日本選手権と6月の全日本選抜で優勝者が異なる場合はプレーオフを行い、世界選手権代表を決める。世界選手権の五輪実施階級でメダルを獲得した選手は東京五輪代表に内定。4~6位で出場枠を獲得した選手は今年12月の全日本選手権で優勝すれば代表入りが決まる。出場枠獲得選手が敗れた場合はプレーオフに進む。

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