NBA今季のMVPはアデトクンボ 八村が対戦を希望するリーグ屈指のフォワードが受賞

[ 2019年6月25日 13:28 ]

シーズンMVPに選出されたバックスのアデトクンボ(AP)
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 NBAは24日に各部門の受賞者を発表。シーズンMVPは今季72試合で27・7得点(リーグ3位)、12・5リバウンド(6位)、5・9アシスト(21位)、1・53ブロックショット(10位)をマークしたバックスのパワーフォワード、ヤニス・アデトクンボ(24=2メートル11、110キロ)が受賞。ナイジェリア移民の両親を持つ同選手はギリシャ・アテネの出身で、2015年のドラフト全体15番目に指名されてから6季目でNBA全選手の“頂点”に立った。24歳での受賞は史上3番目の年少記録。ハーフラインを越えてからわずか4歩でレイアップにまで持っていける超ロングストライドと、巧みに方向を変えていくユーロ・ステップを駆使してオフェンスでは相手を翻ろうし、長いリーチを生かした高い位置でのブロックショットなど守備面でもチームに貢献した。

 バックスからのシーズンMVPは1971、72、74年のカリーム・アブドゥルジャバー(74、76、77年にはレイカーズでも受賞)に次いでチームでは45年ぶり2人目。最終候補に残った昨季の受賞者、ジェームズ・ハーデン(29=ロケッツ)とポール・ジョージ(28=サンダー)の2人を退けて栄冠に輝き、受賞後のスピーチでは感極まって涙を流していた。

 101人による投票は1位(10点)、2位(7点)、3位(5点)、4位(3点)、5位(1点)の5人連記で行われ、アデトクンボは1位票を78、2位票を23獲得して941点を獲得。次点は2年連続の受賞を逃したハーデン(776点=1位票23、2位票78)、3位がジョージ(356点=3位票58、4位票19、5位票9)だった。

 20日のドラフトでウィザーズに全体9番目に指名された八村塁(21)は「凄い選手と聞いていますしぜひやってみたいです」とアデトクンボとのマッチアップを心待ちしており、日本初の1巡目指名選手がギリシャ初のMVP男にどのような戦いを見せるのかが注目されるところだ。

 今季リーグ最多の60勝(22敗)を挙げたバックスからは就任1年目のマイク・ブデンホルザー監督(49)が「コーチ・オブ・ザ・イヤー」に選出され、アデトクンボとのダブル受賞を達成。同監督はホークス時代の2015年以来、4年ぶり2回目の受賞となった。バックスで年間最優秀監督となったのは1983年と85年のドン・ネルソン氏(79)以来、34年ぶり2人目。プレーオフの東地区決勝ではラプターズに2勝4敗で敗れたが、レギュラーシーズンでの好成績を評価されての選出となった。

 最優秀守備選手はジャズのセンターでフランス出身のルディー・ゴベア(26)が2季連続で受賞。投票での次点はシーズンMVPを獲得したアデトクンボだった。また最も進歩した選手に贈られるMIPにはファイナル初制覇を達成したラプターズのフォワード、パスカル・シアカム(25)を選出。2016年のドラフト全体16番目の指名だったカメルーン出身のシアカムは今季が3シーズン目。昨季は平均7・3得点だったが、81試合に出場した今季は16・9得点をマークしていた。

 新人王はドラフト全体3番目に指名されたマーベリクスのスモールフォワード、ルカ・ドンチッチ(20)が受賞。2017年の欧州選手権でスロベニアを初優勝に導き、昨年のユーロリーグで史上最年少のMVPとなっていたドンチッチは今季、72試合に出場して21・2得点、7・8リバウンド、6・0アシストというオールラウンダーらしい素晴らしい成績を残していた。

 最も優秀なベンチプレーヤーに贈られるシックスマン賞には、クリッパーズのガードで今季20・0得点を挙げたルー・ウィリアムス(32)を選出。同選手は2年連続の受賞で通算3回目の選出はジャマール・クロフォード(39=サンズ)に並んで史上最多となった。

 このほか八村とウィザーズでチームメートになるシューティング・ガードのブラドリー・ビール(25)がチャリティー活動などで地域に最も貢献した選手に贈られる「コミュニティー・アシスト賞」を受賞。グリズリーズからジャズに移籍したポイントガードのマイク・コンリー(31)は「スポーツマンシップ賞」と「最優秀チームメート賞」の2部門で選出された。

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