「最初の5歩」を意識しろ! サニブラウンが中高時代に叩き込まれた基礎

[ 2019年6月9日 05:30 ]

サニブラウン 日本新記録9秒97

サニブラウンが6年間練習した城西大城西中高のグラウンド                               
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 フロリダ大の恵まれた練習環境で思う存分トレーニングに打ち込むサニブラウン。しかし、城西大城西中、高での6年間はありふれた環境の中で過ごした。

 同校は東京都豊島区の住宅街にあり、練習拠点となった校庭は50メートル×20メートルしかなかった。しかも他の運動部と共用のため、そのうちの3分の1のスペースしか使えず、同学年の部員もいなかった。それでもシドニー五輪男子400メートル代表で同校陸上部の山村貴彦監督(39)から基礎を叩き込まれた。

 都内の小さな校庭では「それ以上走ると危険」という理由から「最初の5歩」を意識した練習を繰り返し行った。朝練習はなく、平日は校庭での基礎練習。都内の競技場で行われる週末の競技会で、ようやくトラックを使うというルーティンだったという。学校近くにある山手通りに架かる陸橋を使って「苦情覚悟で」(山村監督)坂ダッシュを行うなど工夫も凝らした。

 中学時代は上級生の高校生から弟のように可愛がられながら、陸上の楽しさを覚えたサニブラウン少年。山村監督は「うちはガツガツした感じはないけど、その中でも強さを発揮する。そういう雰囲気がハキームにマッチしたんじゃないですか」と目を細めた。

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2019年6月9日のニュース