錦織 疲労困“敗”また8強の壁、ナダルに食い下がれず…

[ 2019年6月6日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第10日 ( 2019年6月4日    パリ・ローランギャロス )

ナダル戦で右腕や腰にテーピングしながらプレーする錦織(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス準々決勝で、第7シードの錦織圭(29=日清食品)は第2シードのラファエル・ナダル(33=スペイン)に1―6、1―6、3―6で敗れた。1月の全豪に続き、ベスト8で敗退。日本男子として1933年の佐藤次郎以来86年ぶりの4強を逃した。4回戦までに消耗戦を繰り返した影響で、大一番でガス欠。長丁場の4大大会では1週目を“省エネ”で乗り切ることが課題となる。次戦は芝コートのゲリー・ウェバー・オープン(17日開幕、ドイツ・ハレ)に出場する予定だ。

 計13時間22分をかけてたどり着いた準々決勝は、わずか1時間51分で終戦となった。1月の全豪に続き、8強で敗退。37度目の4大大会を終えた錦織は「タンクに残っていた力は15とか20ぐらい。これが今週の限界だったのかな。(ランキング上位とやる時は)毎回、体の限界がきている」と唇をかんだ。

 11度の優勝を誇る赤土王者の壁は高かった。第2セットまでに7度あったサービスゲームで6度もブレークを許す苦しい展開。第3セット2―4とリードされた時点で、空を厚い雲が覆ったため試合が中断した。直後に激しい雷雨に見舞われ、再開は約1時間10分後。そこから、わずか10分で仕留められた。第2セット後には右腕付近を気にして、トレーナーを呼ぶなど体は限界だった。

 課題は明確だ。3回戦は4時間26分を要し、4回戦は日没順延で2日がかり。激戦のしわ寄せで、この日は3日連続の試合だった。4回戦までの合計試合時間はナダルより4時間14分も長く、第1シードのジョコビッチに比べて2倍近い。4大大会は2週間。1週目を省エネで乗り切ることがカギを握る。

 錦織は1月の全豪でも消耗戦を繰り返し、準々決勝のジョコビッチ戦を途中棄権した。強烈なサーブがなくラリー戦主体の側面もあるが、ペールとの4回戦第4ゲームで2度のマッチポイントをものにできず最終セットにもつれるなど改善の余地はある。「クレーの戦いでは今大会が一番良かった。100%は納得できないが、テニスは良くなっている」。次の4大大会は7月のウィンブルドン選手権。打倒ビッグ3へ、もう一皮むけたい。

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