Tリーグ中国選手“消える” 日本を警戒…2季目参加認めない方針

[ 2019年5月29日 05:00 ]

 プロ卓球「Tリーグ」の新シーズンに、中国側が選手を派遣しない方針であることが28日、分かった。2020年東京五輪で脅威になりつつある日本の強化に、協力しないという考えが背景にあると見られる。リーグ発足元年の昨季、長く世界のトップに君臨する同国の選手が男女計5人いたものの、今季はゼロになりそうだ。

 これ以上、敵に塩を送れないということだろう。日本初のプロ卓球「Tリーグ」の新シーズンに、中国側が選手を派遣しない方針であることが判明した。

 リーグ初年度の昨季、女子には合計4人の中国選手がいた。初代女王の日本生命は2人を抱えた。村上恭和総監督(61)は、契約更新や新規選手の獲得を試みたものの、不調に終わったと明かす。“母国の縛り”の存在を、相手側から明かされたそうで、「日本の強化に、目立つような形で協力はできないということでしょう」と背景を説明した。

 日本ペイントも1人いたが、既に中国選手の保有を断念。男女1人ずつ在籍した木下は、別の関係者によると交渉難航中だという。新シーズンは「最強国」の選手が、国内ゼロになる可能性が高い。

 メダル候補に禁止令を出すのならまだ理解ができるが、日本に来た選手はいずれも代表に届かなかった。そのレベルにまで制限。日本を、特に女子の実力を認めている証拠だ。  過去にも同じような事例があった。17年、中国超級リーグに日本勢が参加できなくなった。その前年に平野美宇が「超級」で力を付けたことが、“鎖国”の原因だと言われた。

 直近で伊藤美誠と早田ひなが中国のトップクラスを次々と撃破。脅威が増している分、どんな形であれ、日本のレベルアップには協力ができないのかもしれない。一方、韓国は、自国での強化合宿を増やすため、Tリーグへの選手派遣を見送ると言われている。

 今週は中国オープンが行われる。日中のトップ選手が集結。かつてないほど本気になった中国に、日本勢はどこまで対抗できるか。

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2019年5月29日のニュース