陵侑、日本男子初のW杯総合V!5戦残し確定「五輪よりデカいかも」

[ 2019年3月12日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ個人第23戦 ( 2019年3月10日    ノルウェー・オスロ )

ノルディックスキーW杯ジャンプで日本男子初となる個人総合優勝を達成した小林陵
Photo By 共同

 小林陵侑(22=土屋ホーム)が合計250・1点で5位に入り、日本男子として初めて、欧州勢以外でも初となるW杯ジャンプ男子の個人総合優勝を決めた。13位に終わった総合2位のカミル・ストッフ(31=ポーランド)に500点差をつけ、今季2勝のストッフが残り5試合に全勝(計500点)しても11勝の小林陵が優勝回数で上回るため。スキーW杯で日本人の総合優勝は荻原健司、高梨沙羅、渡部暁斗に続き史上4人目となった。

 ジャンプ発祥の地とされるオスロ郊外のホルメンコーレンで、小林陵が新たな歴史を刻んだ。2本目で個人総合2位のストッフが117メートルと失速する中、126メートルをマーク。表彰台を逃した上に総合優勝決定のアナウンスもなかったため「この喜びはシーズンが終わってから来ると思う」と淡々と話す一方、「五輪よりもデカいかもしれない」とタイトルの重みを表現した。

 社会人1年目からW杯出場も、2年目の16〜17年シーズンにフル参戦しながらW杯得点(30位以内)なしの屈辱。「ノーポイント」とやじられ、目の色が変わった。体幹などの肉体強化に積極的に取り組み、所属先の監督でもある葛西紀明とビデオミーティングを重ねて技術面も改善。低い助走姿勢が定まったことで、ジャンプ台が変わっても安定した飛躍が可能となった。

 今季チームが導入した「脳トレ」の成果で重圧のかかる場面でも本来の力を発揮した。昨季W杯では1本目1桁順位の3試合で、2本目はいずれも失速。脳波解析の結果、筋肉や神経の感覚を受信する部位が極めて発達している反面、不安や緊張を表す「ハイベータ波」が強く出ていた。そこで、パソコン画面で障害物をよけるゲームをしながら横の人としりとりを行うなどの脳トレを実施。意図的にハイベータ波を弱められるようになり、W杯初勝利からジャンプ週間4戦全勝、総合優勝へと駆け上がった。

 快挙達成の日は日本時間で東日本大震災から8年の節目。当時中2だった小林陵は震災当日、試合のため岩手から新潟へ遠征中で「ホテルが凄く揺れたのは覚えている」という。「(総合優勝の)うれしいニュースと悲しい(記憶)が重なってしまうが、これから岩手県勢が頑張っていくぞという日にしてほしい」と被災した地元への思いも口にした。

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2019年3月12日のニュース