東京五輪ゴルフ競技 暑さ、シャッター音、移動、チケット…具体的な対策に注目

[ 2019年2月27日 10:00 ]

<東京2020ゴルフ競技会場メディア・デー>10番、グリーン手前のバンカーからショットを放つ中嶋常幸委員、倉本昌弘委員長、小林浩美副委員長(左から) =撮影・白鳥 佳樹=
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 日本ゴルフ協会(JGA)は2月25日、東京五輪の会場となる霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県川越市)にてメディア発表会を行った。オリンピック競技対策本部強化委員会の倉本昌弘委員長、小林浩美副委員長、2020東京企画・準備委員会の中嶋常幸委員が改造後の3ホールをラウンド。小林副委員長は「チャレンジしがいのあるコース」と感想を口にした。

 順調に進むコース準備の一方で、大会へ向けた課題も挙がった。まずは暑さ対策。屋外での長時間競技であるゴルフにとって、選手、ギャラリー、ボランティアスタッフの安全確保は最重要事項。会見に参加した五輪組織委員会ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO)・スポーツ局長の中村英正氏は「ゴルフは最も注意しなければならない競技のひとつ」との認識を示した。具体的な対策については「検討中」としたが、6月頃を目処に対策案をまとめて今夏にテストを行う方針だという。

 また、倉本委員長が指摘したのがカメラや携帯による撮影。16年リオ五輪のゴルフ競技ではプレー中の撮影が可能だった。リオ五輪でも強化委員長を務めた倉本氏は「オリンピックでは他の競技も禁止されていないので、ゴルフも同じやり方ということだった」と振り返った。

 欧米の携帯電話はシャッター音のオン・オフの切り替えが可能だが、日本の携帯電話は痴漢などの迷惑防止のため必ずシャッター音が鳴る設定になっている。現在、日本のトーナメントで原則プレー中の撮影は禁止されているのはシャッター音がプレーの妨げになることが考えられるため。リオ五輪では問題にならなかったが、こちらの対策も必要になってくるだろう。

 他にも東京・晴海の選手村からコースまで約50キロという移動の負担をどう軽減するか、座席のないゴルフ場でのチケットの販売枚数など課題は少なくない。ゴルフ競技は開幕は2020年7月30日。残り約1年半でどのような対策、施策を行うのか注目していきたい。(記者コラム・中村 文香)

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