錦織 ジョコ相手に余力なく…棄権で終幕、右太腿に痛み

[ 2019年1月24日 05:30 ]

テニス 全豪オープン第10日 ( 2019年1月23日    オーストラリア・メルボルンパーク )

ジョコビッチ戦で、第2セット途中にリタイアした錦織(AP)
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 男子シングルス準々決勝で第8シードの錦織圭(29=日清食品)は、第1シードのノバク・ジョコビッチ(31=セルビア)と対戦し1―6、1―4となった第2セット途中で棄権した。21日の4回戦で5時間5分の死闘を演じた影響で、右太腿にトラブルが発生。日本勢として1932年大会の佐藤次郎以来87年ぶりの4強入りはならなかった。

 体が悲鳴を上げた。第1セットの第4ゲーム。サーブを打ち込んだ瞬間、錦織の右太腿に痛みが走った。第1セットを1―6で落とすと、たまらずメディカルタイムアウト。許された3分間でマッサージなどの処置を受けたがパフォーマンスは戻らなかった。第2セット1―4となった時点で途中棄権。「右太腿に強い痛みを感じ、右足で蹴ることができなくなった。曲げると痛かったので、ほとんどの動きが痛みに変わってしまった」と唇をかんだ。

 限界だった。21日の4回戦でカレノブスタ(スペイン)と今大会最長の5時間5分(2番目は4時間18分)の死闘を演じた。準々決勝までの4試合中3試合がフルセットにもつれ、合計時間は13時間47分。9時間44分のジョコビッチの1・5倍近くもの戦いを強いられていた。22日は予定していたコートでの練習を回避。「試合前は大丈夫だった。いろんなところに(疲労は)きていたが、痛みはなかった」と言うが、ジョコビッチとのラリーに耐えられる状態ではなかった。

 踏ん張りが利かず、ミスは28回を数えた。第1セットの第6ゲームでは2回のダブルフォールト。サービスゲーム6回中4回でブレークを許し、相手サービスゲームは6回中1回もブレークできず、4回をラブゲームで失った。昨年のウィンブルドン準々決勝、全米準決勝に続き、グランドスラム3大会連続でジョコビッチに敗戦。対戦成績は2勝16敗となり、連敗は15に伸びた。

 4大大会は2週間の長丁場。第1週をいかに省エネで乗り切るかが課題となる。「彼(ジョコビッチ)とやる時はいつも満身創痍(そうい)。一番きつい時に対戦する。タイミングも味方してくれていない。8強を超えられないのは悔いが残る。やりきれない思いはあるが、切り替えてやるしかない」。この日の52分を合わせ、全豪のコートで戦った14時間39分を、悲願のグランドスラム制覇への糧とする。

 【錦織の過去の主な試合途中棄権】

 ★ウィンブルドン 08年は1回戦でジケル(フランス)に6―4、5―7から、大会前に腹筋を痛めたことが響き第3セット開始直後に棄権。16年は左脇腹痛を抱えたまま出場し、チリッチ(クロアチア)との4回戦で1―6、1―5の第2セット第6ゲーム後に棄権。

 ★全米OP 10年3回戦でモンタニェス(スペイン)に2―6、1―2となったところで左太腿を痛めて棄権。11年は1回戦でチポーラ(イタリア)に4―6、2―6とされたところで腰痛のため棄権した。

 ★ゲリー・ウェバーOP 17年は2回戦のハチャノフ(ロシア)戦で左臀部(でんぶ)を痛め、第1セット第6ゲーム途中で棄権。15年は左脚、16年は左脇腹と3年連続ケガで棄権した。

 ★バルセロナOP 18年4月、ガルシアロペス(スペイン)との2回戦で右太腿など3カ所の痛みで、第2セット第1ゲーム途中で棄権した。

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