張本 母孝行4強!「パワーもらった気がする」

[ 2018年12月15日 05:30 ]

卓球ワールドツアー・グランドファイナル第2日 ( 2018年12月14日    韓国・仁川 )

<卓球ワールドツアー・グランドファイナル>男子シングルスで4強入りを決めた張本
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 男子シングルス準々決勝で、世界ランク5位の張本智和(15=エリートアカデミー)が、同15位の張禹珍(チャンウジン)(韓国)を4―1で破った。初出場だった昨年の8強を上回る4強入り。初めて海外試合の応援に駆けつけた母・凌さんの前で、好プレーを披露した。女子ダブルスの伊藤美誠(18=スターツ)、早田ひな(18=日本生命)組は準決勝を勝ち、16日の決勝に進出した。

 地元・韓国の張禹珍との対戦で完全アウェーでも、張本には心強い味方がいた。いつも遠征に同行している父の宇コーチだけでなく、今大会は母・凌さんが初めて海外の試合に応援に駆けつけた。第5ゲーム、8―8と競り合う中、張本は確かに後押しを感じた。「パワーをもらった気がする。親のためにも頑張ろうと思った」。9点目は奪われたものの、そこから3連続得点で勝負を決めた。

 この日の午前の練習後、ホテルに戻ると母と一緒にランチ。小学4年生の妹・美和の世話もあるため、母が日本を離れるのは難しい。近い韓国、グランドファイナルという大舞台だから初観戦は実現した。中国で世界選手権代表になった母は卓球だけでなく私生活にも厳しく、「部屋はちゃんときれいにしているの?」とチクリ。「ホテルだから別にいいと思うけど…」と15歳は苦笑いを浮かべた。

 6月の荻村杯ジャパン・オープンで4―0と完勝した相手とはいえ、油断は一切なかった。第1ゲームの1点目から、気合十分に「チョレイ!」と絶叫。ジュースでこのゲームをものにすると、一気に波に乗った。「勝負強くできた。相手よりも少し粘れた」。勝利が決まるとベンチに走りかけたが、相手との握手に戻り、そして両手を突き上げた。

 15日の準決勝は、順当なら世界1位の樊振東(ハン・シントウ=中国)と激突。4月のアジア杯で勝利しているとはいえ、張本が受賞を逃した国際連盟(ITTF)の年間最優秀選手に輝いた難敵だ。「思い切ってぶち当たりたい。目標は優勝なので、通過点として勝ちたい」。来年1月18日、母は46歳になる。少し早い誕生日プレゼントは、ビッグタイトルで決まりだ。

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