ニューヒーロー誕生!乙黒拓がレスリング日本男子最年少世界王者に

[ 2018年10月23日 06:31 ]

優勝した乙黒(AP)
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 レスリング界に新たなヒーローが生まれた。世界選手権第3日が22日に行われ、男子フリースタイル65キロ級決勝で乙黒拓斗(19=山梨学院大)が、アジア大会覇者のプニア・バジラン(インド)との決勝を16―9で制し、初出場初優勝を飾った。19歳10カ月での優勝は、高田裕司の20歳6カ月を抜く日本男子歴代最年少の世界王者誕生となった。

 21日に3回戦まで全てテクニカルフォール勝ちを収めた乙黒拓は、準決勝でアフメド・チャカエフ(ロシア)との15―10の激闘を制して勝利。世界王者経験者を連破してして勝ち上がってきた強豪を破り、銀メダル以上が確定。「めちゃくちゃ強い選手に勝てて、自分のレスリングができたのは進歩」と自信をつかんだ。

 22日のバジランとの決勝も点の取り合いとなったが、常に先手を取って主導権を握った。開始早々にタックルからの場外ポイントで先取点を奪うなど、「自分のスタイル」という攻撃的なレスリングを前面に出し、終盤には突き放した。

 出身の山梨県を離れ、有望選手を寄宿制で育成する日本オリンピック委員会(JOC)のエリートアカデミーで高校6冠を獲得するなど成長を遂げた。山梨学院大に進学すると、高田裕司監督やセコンドについた小幡邦彦コーチらの指導でさらに実力に磨きをかけた。

 シニアの国際大会デビュー戦となった4月のW杯では61キロ級の世界王者を撃破し、今大会でも優勝争いが期待されていた。兄・圭祐も今大会の70キロ級代表でともに東京五輪を目指している。華々しい世界デビューで、2年後の金メダルもグッと現実味を帯びてきた。

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2018年10月23日のニュース