大坂WTA黒星発進 堅守にイライラ 攻撃力封じられ1―2

[ 2018年10月23日 05:30 ]

テニスWTAファイナル第2日 ( 2018年10月22日    シンガポール )

スローン・スティーブンスと対戦する大坂
Photo By 共同

 シングルス1次リーグA組で、世界ランキング4位の大坂なおみ(21=日清食品)は同6位のスローン・スティーブンス(25=米国)に5―7、6―4、1―6で敗れた。相手の堅守にも阻まれて、年間上位8人によるファイナルのデビュー戦は黒星発進。1次リーグは総当たり方式で、各組上位2人が準決勝に進出する。大坂は24日の第2戦で巻き返しを図る。

 入場時から相手の倍近い歓声が注がれた。試合中も「GO!ナオミ」と声援は圧倒的に多かった。「ここでプレーできて光栄」と話していた大坂を、まるでホームの雰囲気で迎えたファイナルのデビュー戦。しかし、同じく初出場の17年全米女王、スティーブンスとの新旧全米女王対決で、勝利をつかむことはできなかった。

 打てども打てどもボールが返ってくる。相手の粘り強さに手を焼き、第1セット中盤から露骨にイライラしたそぶりを見せ始めた。ロングラリーになると根負けして、むちゃな強打でミスを繰り返した。第1セットを落とし、第2セットは際どい展開でどうにか取り返したが、そこまでだった。最終セットは第1ゲームをブレークされ、直後の第2ゲームで3本のブレークポイントを取り逃がすと一気に崩れた。

 ただし総当たりの1次リーグは負けても次がある。現行の試合方式となった03年以降では、1次リーグで黒星を喫しても優勝した選手は、昨年のウォズニアッキら8人いる。諦めるにはまだ早い。開幕前の会見ではバイン・コーチが「ここでは負けたとしてもカムバックできる、突破できることを理解しないと」と切り替えの重要性を説いた。日本協会の土橋登志久強化本部長も「彼女がさらに強くなるための大事な機会」と語っていた。

 全米優勝後の喧騒(けんそう)があり、シーズン最終盤の疲労も抱えての黒星発進。イライラの募る敗戦から中1日でどう切り替えるか。これも大坂が成長するためのステップになる。

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2018年10月23日のニュース