宮原連覇!課題のジャンプ回転不足に決別「形になってきた」

[ 2018年10月23日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第1戦スケートアメリカ最終日 ( 2018年10月21日    米ワシントン州エバレット )

貫禄の演技で大会連覇を飾った宮原(AP)
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 オリンピアンの2人がワンツーフィニッシュだ。女子は、平昌五輪4位の宮原知子(20=関大)が、ショートプログラム(SP)に続いてフリーでも1位(145・85点)。合計219・71点で大会2連覇した。GPシリーズ通算3勝目。五輪6位で、SP2位の坂本花織(18=シスメックス)が合計213・90点で2位に入った。SP4位の本田真凜(17=JAL)は合計158・04点で8位に沈んだ。

 昨シーズン、亡霊のように付きまとった「回転不足」に、決別の兆しが見えた。首位のSPに続き、宮原が2日連続でジャンプをまとめた。直前に滑った高得点の坂本を超え、連覇を決めた。

 「ジャンプで回転不足がなかったのが一番の収穫です。技術的な面で手応えをつかんだのが良かった」

 大人っぽい黒い衣装に身を包み、タンゴ系の「ブエノスアイレスの冬」のメロディーに乗った。得点源のルッツ、トーループの連続3回転ジャンプは鮮やかだった。ほぼミスはなし。「少しずつ変えてきたジャンプが形になってきた手応えはある」。緊張で動きが悪くなった6日のジャパン・オープンを反省し、今回は本番前に上半身を動かすことを取り入れた。浜田美栄コーチも「体が硬くなると肩が上がって上半身が回らなくなるから。今日は緊張しても自分で修正できていた」と評価した。

 昨季開幕前は、股関節の骨折からのリハビリに時間を費やした。完治した今年は違う。浜田コーチは、9月上旬の時点で「筋肉痛になるぐらい、トレーニングを凄くしている。10月半ばまで負荷をかけていく」と語っていた。これまでにない肉体強化。昨オフがマイナスを0に戻す取り組みなら、今オフは0をプラスに変え、伸ばす日々。GPシリーズ初戦に向けてのアプローチが180度異なった。

 「体の不安がないし、去年とは練習量が全く違う。技術面と表現面をもっと上げたい」。次は11月のNHK杯(広島市)。昨季はオフに練習を積めない状態で平昌五輪で4位に入った。万全の今年は、もっといい演技が期待できる。

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2018年10月23日のニュース