伊調馨 14日にリオ五輪以来2年ぶりの復帰戦 優位も体力面では不安残す

[ 2018年10月13日 22:12 ]

レスリングの伊調馨
Photo By スポニチ

 五輪女子初の4連覇を達成したレスリングの伊調馨(34=ALSOK)が、14日に静岡・三島市民体育館で行われる全日本女子オープンでリオ五輪以来2年ぶりの復帰戦に臨む。

 伊調が復帰階級に選んだ57キロ級の出場選手は6人。13日には組み合わせ抽選が行われ、1回戦では全日本学生選手権3位の島中斐子(同志社大)、順当にいけば準決勝は同2位の澤葉菜子(至学館大)、決勝では昨年の全日本選手権5位の望月芙早乃(自衛隊)との対戦となる。

 いずれも伊調の優位は揺るがないとみられるが、いかんせん2年2カ月ぶりの実戦な上に、初めての57キロ級、さらに初めての当日計量という手探りな部分もある。

 今大会で2位以内に入れば、12月の全日本選手権の出場資格が手に入る。同大会は来年の世界選手権代表の選考会の1つで、東京五輪へつながる重要な一歩。ただし伊調は過去の実績から推薦が得られる立場で、伊調陣営も今回は結果以上に内容を重視しているようだ。

 監督会議に出席したALSOKの大橋正教監督は調整状況に自信を示しつつも、スパーリングとは異なる実戦での試合勘を鍵に挙げた。「試合内容がイメージとかけ離れていたら、次のステップにいけない。自分のスタイルが試合で出せなかったら本人も悩むでしょう。その状態で全日本に間に合うかというと、もう一回検討しないといけない」と今後については慎重姿勢も見せた。57キロ級であれば現世界女王の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)との対戦もあり得るだけに、中途半端な状態では挑めない。

 伊調を中学時代まで指導した恩師の沢内和興さんも「結果よりも内容。本人が試合をしてみてどう思うかでしょう」と5連覇の懸かる東京五輪は現時点では二の次とした。「リオ後はやりきった感があって、いろんなイベントに声かけてもらって、筋トレも1年以上やってなかった。体力的には7割」と大橋監督が言うように、技術以前に体力面での課題も残っている。

 4連覇を達成したリオ五輪後に現役続行を保留し、その間に元強化本部長の栄和人氏によるパワハラ被害などが明らかになった。ゴタゴタの末に決断した現役復帰。ただでさえ辛口採点の伊調が自らの復帰戦をどう評価するのか。期待と不安を抱えながら、女王がマットに戻ってくる。

続きを表示

2018年10月13日のニュース