Bリーグトップ選手が3人制挑戦 バスケ界に新たな動き

[ 2018年6月7日 10:20 ]

バスケットボール男子の3人制日本代表入りした原修太                               
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 20年東京五輪で新種目として採用が決まった3人制バスケットボールに新たな動きが生まれている。8日に開幕するW杯(フィリピン・マニラ)に出場する日本代表に、Bリーグの千葉に所属する原修太(24)が初選出された。原はリーグ準優勝の千葉の主力の1人。そんな5人制のトップ選手が参加するのは過去にないことだった。

 Bリーグの選手が3人制と両立することは難しいと考えられていた。3人制は夏場、5人制は冬場が中心とはいえ、スケジュールに重なる部分がある。ケガのリスクもある。クラブの理解を得るのは簡単ではない。昨年6月に3人制の五輪種目入りが決まった際、原にとっては「目指そうとも思わなかったし、やると思わなかった」と興味の対象外だった。

 今回、かつて5人制の日本代表で活躍し、現在3人制日本代表のアドバイザーコーチに就任した長谷川誠氏が3人制の適性がありそうなBリーガーにまずは短期での挑戦を呼びかけた。その選手の所属クラブには両立に理解を求めた結果、直前の代表候補合宿には「協力してもらえる選手に今回来ていただいた」と賛同したBリーガー3選手(原の他にA東京の安藤誓哉、秋田の保岡龍斗)の参加に至った。

 長谷川氏はBリーガーにとって3人制挑戦には利点があると訴える。3人制は人数が少ない上に、ファウルの笛が鳴りにくい。より体を張ったプレーが求められる。

 「(5人制の)日本の課題は1対1の力、リバウンドが取れない、フィニッシュ力が弱いとずっと言われている。(その能力が求められる)3人制を経験して、いいスキルを身につけて、所属に帰ってほしい。最終的には5人制の日本代表に呼ばれるようになればいい」。

 3人制の選手もBリーガーの挑戦を歓迎する。長く日本代表で活躍する落合知也は「どんどんBリーグから来てほしい。彼らにはプロの意地があると思うし、自分たちもBリーグの選手に負けたくない気持ちがある。互いに切磋琢磨できればいい」と全体の底上げにつながると考える。

 代表候補合宿初日、原は3人制特有の攻守の切り替えの早さなどに戸惑いながらも「まずは慣れることが必要だけれど、3人制は攻撃回数が多いことが楽しい」と意気揚々とプレーしていた。そして今回はBリーグからただ一人W杯に参加することになった。

 5人制だけでなく、3人制でも五輪を目指せるのは選手にとっては大きな魅力だ。原たちがW杯で活躍すれば、今後3人制に進出するBリーガーは増えるだろう。まだまだ認知度は低いが、3人制バスケが活気を帯びてきた。(柳田 博)

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2018年6月7日のニュース