佳純、死闘制して涙のリベンジ!世界一へ「全力でぶつかる」

[ 2018年5月5日 05:30 ]

世界卓球・女子準決勝   日本3―0南北合同コリア ( 2018年5月4日 )

南北合同チーム「コリア」戦でポイントを奪いガッツポーズする石川佳純
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 注目の一戦を制し47年ぶり世界一に王手をかけた。女子準決勝で日本が、3日に結成された韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」を3―0で粉砕し、3大会連続で5日の決勝に進出。第2試合で石川佳純(25=全農)が、16年リオデジャネイロ五輪で敗れたキム・ソンイ(北朝鮮)とのフルゲームの死闘を制し、安どの涙を流した。決勝では中国と激突する。男子の日本は準々決勝で韓国に敗れた。

 日本の勝利が決まると、石川の涙腺が決壊した。3大会連続の決勝進出の歓喜に浸ったわけじゃない。「うれしくて泣いているわけじゃなくて」。3日に急きょ結成された韓国と北朝鮮の合同チーム「コリア」との準決勝。「動揺やプレッシャーもあった。いろんなハプニングをみんなで乗り越えることができて、ホッとした」。涙の意味は「安ど」だった。

 本来、ベンチ入りは選手最大5人と監督1人だが、選手と監督を合わせて11人になったコリアのために、大会側が椅子を増やしてコリアの全員が“ベンチ入り”。日本もコーチがベンチに加わった。百戦錬磨の石川ですら経験したことのない異様な雰囲気の中、第2試合でキム・ソンイと対戦。リオ五輪では初戦の3回戦で黒星を喫した。因縁の相手との一戦は最終第5ゲームに突入した。

 キム・ソンイのボールが3度もエッジをかすめて失点する不運も重なり「心が折れそうになった」という。マッチポイントも3度握られたが、耐えて粘って競り合いを制した。「最後は心と心の勝負。自分を信じられた。リオの自分を克服できた」。まだこの時点でコリアとの決着はついていなかったが、石川の目は潤んでいた。「絶対に負けられないと思っていた」。25歳にとって、大きな意味を持つ1勝だった。

 1次リーグ5試合、準々決勝、準決勝と日本は21戦全勝と圧倒的な強さでファイナルに進出。チームの中心は、間違いなく主将の石川だ。71年名古屋大会以来、47年ぶりの世界一へ、決勝で中国と激突。「明日(5日)が本当の大一番と思ってやってきた。自分たちのプレーをして、全力でぶつかっていきたい。中国以上の団結を見せて頑張りたい」。自分を信じて、仲間を信じて、黄金の輝きを手に入れる。

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