土日も藍が見られる!50位予選通過「首の皮一枚つながった」

[ 2017年6月10日 05:30 ]

サントリー・レディース第2日 ( 2017年6月9日    兵庫県神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部=6538ヤード、パー72 )

7番、バーディーを決めガッツポーズをする宮里藍
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 今季限りで現役を引退する宮里藍(31=サントリー)が真骨頂のプレーで粘った。ショットが不調で後退も、勝負どころの17番で3メートルのバーディーパットを決めるなど、2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの74。通算イーブンパー、144の50位で予選通過を果たした。

 これが宮里藍の宮里藍たるゆえんだ。16番でボギーを叩き、通算1オーバーで迎えた17番パー5。第3打でピン右3メートルにつけた。ラインを慎重に読み、ストロークすると、ボールはきれいにカップに吸い込まれた。右拳を力強く2度、3度振った。ここ一番の集中力はさすがだった。

 17番グリーン上にあるリーダーボードはあえて見なかった。それでも「きっとカットラインはイーブンだろう」と想像し、自分にハッパを掛け、それに応えた。結果的にはカットラインより1打少なく、週末もプレーする権利を手にした。

 「気力、体力ともに使い切った。バーディーパットをほとんど打てず、拾って拾っての我慢だった」。そう振り返るコメントに実感がこもった。ショットが不調で4番パー5では2打続けて曲げるなどし、ダブルボギー。8番パー4では第2打がバンカーの目玉となる不運で、スコアを落とした。いつ大崩れしてもおかしくなかったが、9番で4メートルのパーパットをねじ込むなど、グリーン上で粘り、後半はパープレーにまとめた。同組の上田が「パットは米ツアーでも凄く入っていたころの藍ちゃんに近いように見えた」とうなったほど。日米通算24勝をアシストしたパットが身を助けた。

 目に映る光景も力になった。世界一を目標に海を渡った宮里だが、米ツアーでは閑散とした中でプレーすることが日常だ。日本ツアーに参戦するたびに「こんなにギャラリーが多いことは米国ではない。選手はこれが当たり前だとは思わないでほしい」と訴えてきた。2日目としては大会最多の9405人のギャラリーに「声援のおかげで頑張れた」と感謝した。

 首位とは10打も離れたが、揺れる心と荒れるショットをコントロールし最低限のノルマはクリアした。「首の皮一枚つながった。明日はムービングサタデーなのでアンダーパーでプレーしたい」。胸を熱くする応援に、今度はチャージで応える。

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2017年6月10日のニュース