ダンス経験生きた!オスタペンコ、ツアー初優勝が4大大会の快挙

[ 2017年6月11日 01:28 ]

テニス全仏オープン女子シングルス決勝 ( 2017年6月10日    パリ・ローランギャロス )

全仏オープン女子シングルスで優勝し、トロフィーを掲げるエレナ・オスタペンコ(AP)
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 敗れたハレプから表彰式で「この瞬間を楽しんで。ハッピーにね。あなたはまだ子供みたいなものなんだから」とエールを送られると、あどけない表情が一層子供っぽくほころんだ。

 ノーシードから勝ち上がった世界47位のエレナ・オスタペンコ(20=ラトビア)が、同4位のシモナ・ハレプ(25=ルーマニア)を6―4、4―6、6―3で破り、ツアー初優勝を4大大会のビッグタイトルで飾った。

 4大大会出場はまだ8大会目。しかも得意とするのはハードコートと芝のはずが、赤土の舞台で誰もが驚く快進撃を見せ、優勝まで駆け抜けた。「20歳で全仏オープンに勝てるなんてまだ信じられない」と弾ける笑顔で声を弾ませた。

 第1セットを落とし、第2セットも1―3とリードされてから火がついた。最終セットも第4ゲームで先にブレークを許したが、「あきらめずに全てのポイントでファイトしてばん回できた」と試合をひっくり返し、最後のマッチポイントでもバックハンドの決定打を叩き込んだ。

 そのプレーの特徴が如実にあらわれたのが、この日のスタッツだった。ノータッチの決定打と凡ミスの数がいずれも54本。速攻、強打、ひたすらその繰り返し。いい意味でも悪い意味でも独り相撲をとり続け、経験に勝るハレプにテニスをさせなかった。

 5歳からテニスと一緒に始めたのが社交ダンス。12歳になるとテニス1本に絞ったが「自分のフットワークに凄く役立っていると思う。ダンスは体をうまく連動させないといけないから」と当時の経験が生きているという。15年9月に初めてトップ100入りを果たし、4大大会では今年の全豪の3回戦が最高。昨年の全仏では1回戦で大坂なおみ(日清食品)にストレートで敗れていたが、1年後に夢のような飛躍を見せた。

 アガサ・クリスティーの推理小説を読んだり、エンリケ・イグレシアスやザ・ウィークエンドの曲を聴くのが好きだといい、まだまだテニスでも可能性を秘めた20歳。一番好きな大会に挙げるウィンブルドンでも快進撃を見せてくれそうだ。

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2017年6月10日のニュース