内村、覚悟と希望のプロ第一声 体操の地位高めたい

[ 2016年12月2日 06:03 ]

サイン色紙を贈呈し、握手する体操男子の内村
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 リオデジャネイロ五輪の体操男子で個人総合と団体総合の2冠を達成した内村航平(27)が1日、スポニチの取材に応じ、体操界初のプロ選手としての思いを激白した。11月30日でコナミスポーツを退社し、この日、プロとしての活動をスタート。体操をよりメジャーなスポーツにすることを目指し、集大成の20年東京五輪へ歩むキングの胸の内に迫る。

 11月から12月へ、月が替わると立場が変わった。所属していたコナミスポーツを離れ、体操界初のプロ選手としての活動がスタート。内村はこれまでと変わらぬ余裕の表情で、スポニチ本紙に“プロ第一声”を寄せた。

 「ワクワク感が凄くある。これからいろいろなことをやっていくうちに、感じるものがあると思う。プロの体操選手としてどうあるべきか、その答えを見つけていけたらいい」

 12年ロンドン五輪後から抱いていたプロ転向の思いがついに実現。スポンサーを募って競技を続け、これまで以上に普及活動にも時間を割く。自分がささげてきた「体操」の地位を高めるために。

 「体操はまだメジャーなスポーツじゃないと思う。五輪で皆さんに“感動した”と言ってもらえるのはありがたいけど、体操のことをちゃんと分かってくれている人って、どのくらいいるのかな。マニアックなことを分かってもらいたいというより、“男子の個人総合は6種目”とか、ざっくり分かってもらうことから始めないと」

 特に力を注ぎたいと考えているのが、体操教室などでの子供へのアプローチだ。体操の面白さを伝え、未来のスーパースター誕生を後押ししたい。

 「子供に体操を広めることが中心になる。とっかかりが僕で小さい時に体操をやっていた子が、大きくなって違うスポーツで大成したって全然あり。それはそれで“体操、すげぇ”ってなる」

 もちろん、競技が最優先なのは変わらない。先駆者や開拓者に常に向けられる懐疑の目にも、立ち向かう覚悟がある。

 「正直なところ、残すべき成績は残してきたかな、という思いはある。でも、プロになって競技力が落ちたとは思われたくない。結果はどうあれ自分の体操を見せていきたいし、結果でしか与えられない影響もある」

 深刻な痛みを抱える右足首が癒えれば、10連覇を狙う来年の全日本選手権、個人総合7連覇が懸かる世界選手権を見据え始動。そして、道は20年東京五輪へと続く。

 「リオで金メダルを獲っているんで“東京でも獲ってくれるんでしょ”って目で見られると思う。東京はベストな自分で出て、絶対に勝ちたい」

 プロとして、これからも王道を歩む。黄金の足跡の先に、体操界の発展があると信じて。

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2016年12月2日のニュース