パーマーという男 ゴルフ人気向上に貢献「ベーブ・ルースのような存在」

[ 2016年9月27日 08:00 ]

絶大な人気を誇ったアーノルド・パーマー氏(AP)

アーノルド・パーマー氏死去

 「今のゴルフトーナメントの隆盛の礎を築いた最大の功労者。ベーブ・ルースのような存在であり、日本における長嶋さんのような存在だった」。そう振り返るのはゴルフトーナメントプロデューサーの戸張捷氏だ。

 パーマー氏がデビューした1950年代、ゴルフは富裕層の娯楽で、ベン・ホーガン氏に代表されるような手堅いスタイルが主流だった。しかし、レッスンプロの父親から「とにかく1Wで攻めていけ」と教え込まれたパーマー氏はどんな状況でも1Wを握った。パー5で3度OBを叩いても1Wを離さず4度目にフェアウエーを捉えて10を叩いたこともあったが、危機的な状況から大逆転することもあった。ゴルフのイメージを覆すプレースタイルに観客は興奮。「スイングの後にシャツがズボンからはみ出す姿がセクシーと言われ女性にも人気があった。テレビ局が放送権を払うようになったのもパーマーのおかげ」と戸張氏は言う。

 インパクト後に左肘を高く上げる独特のハイフィニッシュもファンがまねた。現役時代を知る日本ゴルフツアー機構の松井功副会長は「パワフルなスイングだったからフィニッシュでクラブが収まらず、ああいうスタイルになった」と話す。「女子のローラ・ボーとよく一緒に来日して女子ゴルフの人気も高めた」と松井氏。世界的なスポーツマネジメント会社のIMGはパーマー氏のマネジメントを目的に設立された背景を持つ。スポーツ界に多大な足跡を残した巨人だった。

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2016年9月27日のニュース