豪栄道 全勝V一夜明け九州場所は「今まで通りの積み重ねで」

[ 2016年9月27日 05:30 ]

お祝いのランの花に囲まれ、優勝一夜明け会見で笑顔を見せる豪栄道

 大相撲秋場所で15戦全勝の初優勝を成し遂げた大関・豪栄道(30=境川部屋)が千秋楽から一夜明けた26日、東京都足立区の境川部屋で会見し、改めて喜びに浸った。綱獲りとなる九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)には自然体で臨む姿勢を見せた。横綱審議委員会では全勝優勝が高く評価され連続優勝なら横綱昇進との意見が大勢を占めた。

 優勝パレードやテレビ出演など、多忙を極めた前夜の疲れも心地よい。豪栄道は場所中には見せなかった柔らかい表情で「いろんな人のうれしそうな顔が見られてよかった。部屋に帰ったのは(夜の)11時半。付け人とラーメンを食って寝ました」と笑顔を交えて優勝の喜びに浸った。大関・稀勢の里ら秋場所番付で幕内に11人いる86年度生まれの一人。「この世代で初めて優勝できた。自分の中では一つの勲章」と激戦世代で一番乗りできた誇りも口にした。

 綱獲りとなる九州場所でも、自然体を貫く。新たなトレーニングなどを取り入れる予定はなく「マイペースでいく。しっかり鍛えていい状態で福岡に入りたい。今まで通りの積み重ねでいく」と強調。重圧への対処を聞かれると「過度に意識しない。自分の得意な形で取ること」と右差しで頭をつける取り口を徹底する姿勢も不変だ。師匠の境川親方(元小結・両国)は九州場所担当部長。「優勝はしたけど、これで終わるとダメ大関と言われる」と師匠への恩返しにも意欲を見せた。

 両国国技館で行われた横綱審議委員会では、来場所が豪栄道の綱獲り場所となることが確認された。昇進条件について守屋委員長は「13勝以上の優勝なら、(横審に)上がってきたら議論して賛成に回る。今場所の相撲内容が続くなら」と私見を述べた。都倉俊一氏(作曲家)は「全勝と14勝ではイメージが違う。準優勝での諮問もあるんじゃないか」と見ている。一方で、強い横綱の誕生を期待している委員も多く岡本昭氏(岡安商事最高顧問)は「全勝だったら文句なし。1敗やったら考える。2敗ではあかん」とあえてハードルを高くすることを望んだ。

 一気に角界の主役となった豪栄道。今週中には大阪に一時帰郷し英気を養う。来月5日からは秋巡業も控えている。信念を貫いて稽古を続け、九州場所へと向かう。

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2016年9月27日のニュース