白鵬、秋場所休場も　左膝違和感で２日連続稽古休み

横綱・白鵬

　大相撲の横綱・白鵬（３１）が３８度目の優勝と残り３勝に迫る通算１０００勝が懸かる秋場所（１１日初日、両国国技館）を休場する可能性が出てきた。先場所９日目の勢戦で痛めた右足親指を夏巡業中にかばい続けた結果、今度は左膝を負傷。２日連続で朝稽古に参加できていない状況で師匠の宮城野親方（元幕内・竹葉山）は快方に向かわなければ休場させることを示唆した。

　明らかにいつもの場所前の白鵬ではない。前日に続き１日朝も稽古を休んだ。部屋関係者によると、当初は通常通りに部屋で調整する予定だったが、朝になって左膝などに痛みが生じているため断念。都内の自宅でアイシングを行ったという。

　白鵬が初日２週前に２日連続で稽古を休むのは極めて異例。きょう２日には横審稽古総見が両国国技館（一般非公開）で行われるが、師匠は「出られないと思う」と話した。秋場所についても「治すなら完全に治した方がいい。悪化して次の場所も駄目になることが一番いけない。来週、出稽古に行けなければ（場所も）やれない」と休場も視野に入れて今後の経過を見守る方針を示した。

　先場所９日目の勢戦でつまずき右足親指を負傷。場所後にヒビが入っていたことが判明した。それが完治しないまま、７月３１日から先月２８日まで行われた夏巡業に強行参加していたことが左膝の負傷につながった。巡業中盤には若手に稽古をつける場面もあったが、右足親指をかばい続けた結果、膝に負担がかかった。それでも巡業の休場者が多かったため、テーピングを施して最後まで皆勤。巡業終盤には「みんな休んでいたし、一生懸命やらないといけないとという焦りが出た」と吐露する場面もあった。

　先月３０日に同部屋で行われた新しい綱を作る「綱打ち」には顔を出し、あと３勝に迫った通算１０００勝へ「モチベーションを上げていけたら」と意気込んでいたが、一転、休場ピンチに。綱打ちの際の横綱について師匠は「階段を上るのも大変で腰を曲げたまま歩いていた」と説明した。昨年秋場所も左膝付近の炎症で３日目から途中休場したが全休となれば大関時の０６年九州場所以来実に１０年ぶりとなる。