五輪ゴルフ競技、初開催は1900年パリ コンペが組み込まれたという説も…

[ 2016年6月17日 10:40 ]

 リオデジャネイロ五輪で112年ぶりにゴルフが復活する。では1世紀以上も前に行われた五輪のゴルフ競技とはどんなものだったのだろうか。

 ゴルフが五輪で初めて開催されたのは1900年のパリ大会。男子は36ホール、女子は9ホールのストロークプレーの個人戦が実施された。

 男子は米国、英国、フランス、ギリシャの4カ国から合計12人が参加した。金メダルを獲得したのは34歳のチャールズ・サンズ(米国)。彼はテニス選手でもあった。というよりむしろテニスが本業で、パリ大会ではシングルス、ダブルス、混合ダブルスに出場(いずれも初戦敗退)した。さらに1908年ロンドン大会では室内テニスに参加しており、米国でも2人しかいない3競技で五輪出場を果たしたアスリートでもあった。

 男子の翌日に行われた女子の試合には米国とフランスから10人が参加。23歳のマーガレット・アボット(米国)が47のスコアで優勝し、全競技を通じ米国女子で最初の五輪金メダリストとなった。また、この試合には42歳の母・マリーも出場して7位になった。これが五輪史上、親子が同時出場した唯一の例という。

 男子の優勝スコアは82、85の合計167。最下位は合計252。また女子の最下位はハーフで80をたたいた。コースの難易度は不明だが、とてもレベルが高いとは言い難い。たまたまパリで行われたコンペが五輪に組み込まれただけで選手のほとんどは五輪と知らなかったという説もある。

 4年後のセントルイス大会では女子は参加せず、男子の個人戦と団体戦が開催された。個人戦は予選を通過した32選手が36ホールのマッチプレーでメダルを争った。75人が参加したが、そのうち72人が米国人で残り3人はカナダ人。米国のための大会だったと言っても良いが、皮肉にも優勝は45歳のカナダ人ジョージ・リヨンだった。

 団体戦は10人が1チームになって36ホールのストロークプレーの合計スコアを競い合った。ただし出場したのは米国の3チームだけ。その結果、開催国が金、銀、銅を独占する珍事となった。

 リオ五輪のゴルフも出場選手の決定方法や試合方式について疑問の声が上がっている。ジカ熱、過密日程を懸念して出場を辞退する選手もいる。多くの選手が五輪よりもメジャーと考えるのも致し方ない。それでも過去2回に比べれば、世界一を決めるに値する大会であることは間違いないだろう。(福永 稔彦)

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2016年6月17日のニュース