レブロン爆発41得点! キャブス、悲願の初優勝へ逆王手

[ 2016年6月17日 15:40 ]

41得点を挙げたキャバリアーズのジェームズ(AP)

 NBAファイナルの第6戦が16日にクリーブランドで行われ、地元のキャバリアーズが一度もリードを奪われることなく115―101(前半59―43)でウォリアーズを退けて3勝3敗。ホームでの今季最終戦(51試合目)を白星で飾り、1勝3敗から連勝して悲願の初優勝に逆王手をかけた。

 レブロン・ジェームズ(31)は第3Qから第4Qにかけて1人で連続18点をマークし、第5戦に続いて41得点の大活躍。43分の出場時間で8リバウンド11アシストも稼ぎ、14得点を記録した勝負どころの第4Qにはドレイモンド・グリーン(26)とステファン・カリー(28)のゴール下でのシュートをブロックして雄叫びをあげた。

 今ファイナル6試合の合計得点(181)リバウンド(68)アシスト(51)ブロックショット(13)スティール(16)はすべて両軍最多。仮に最終戦に敗れてもMVPになる可能性も出てきている。ファイナルはヒート時代を含めてこれが6年連続7回目だが、優勝したのは12年と13年の2回だけ。しかし今回は粘りに粘って自身3度目の優勝に逆王手をかけた。「ここまで来たら勝ちたい。やれることは全部やる。そして何が起こるのかを見てみたい。相手を第7戦に引きずり込んだんだ。面白い試合になる」とジェームズは19日(日本時間20日)に敵地オークランドで行われる最終第7戦に意欲満々。地元2万人のファンに“奇跡の予感”を与えてアリーナを去っていった。

 キャバリアーズの今ファイナルでの勝敗は●●○●○○。第1戦と第2戦では合計48点差をつけられたがじりじりと盛り返してきた。ただし1勝3敗からのシリーズ逆転はプレーオフ全体では10回あるものの、ファイナルでは過去32回で皆無。1951年にニックス(対ロイヤルズ)が●●●○○○、1966年にはレイカーズ(対セルティクス)が○●●●○○として1勝3敗から勝負を最終戦に持ちこんだが、いずれも敵地での試合に4点差と2点差で敗れた。この条件下で最終戦を戦うのはキャバリアーズが史上3チーム目。V率0%は依然としてついて回るが、過去2回のケースではいずれも接戦となっており、必ずしもデータ通りにはならないかもしれない。

 クリーブランドを本拠にしているプロチームで最後に優勝を飾ったのは1964年12月27日のNFL選手権を制したブラウンズ。もしキャバリアーズが19日に優勝すると1万8802日ぶりに“王者”が誕生するとあって、市民にとっては夢と期待が膨らむビッグゲームになりそうだ。

 一方、ウォリアーズは西地区決勝(対サンダー)の第3、4戦に続く今季2度目の連敗。第5戦で膝を痛めたセンターのアンドリュー・ボーガット(31)に代わって昨季のファイナルでMVPとなったアンドレ・イグダーラ(32)が先発して出だしからスモール・ラインアップで対抗したが効果はなかった。第3Q途中で最大24点差(46―70)をつけられながら、第4Qの序盤で7点差(79―86)にまで詰めたものの、ここからジェームズを抑え切れずに点差は広がるばかり。出場停止処分明けとなったグリーンも41分出場しながら8得点と“起爆剤”にはならなかった。イグダーラは腰を痛めて苦しそうな表情を浮かべ、先発したハリソン・バーンズ(24)にいたっては放った8本のフィールドゴール(うち3点シュートが5本)をすべて外して無得点に終わった。

 そして最もいらついていたのがカリー。前半で3反則を犯し、87―99で迎えた第4Q残り4分22秒にはジェームズへの接触が反則とコールされて3年ぶりの6反則退場となった。序盤から“微妙な笛”に悩まされていたこともあって6反則目をコールしたジェイソン・フィリップス審判にマウスピースを投げつけて珍しく怒りを爆発。結局、テクニカル・ファウルまで宣告されてしまった。スティーブ・カー監督(50)は「6回のうち3回は絶対に間違いだ。マウスピースを投げつけるのも当然だ」と2年連続でシーズンMVPとなった大黒柱を擁護。ファイナルに入って接触プレーに対して審判の判断がきびしくなっており、MVP男にも“特例”は認められなかった。

 クレイ・トンプソン(26)は25得点、ベンチから出たブラジルの五輪代表、レアンドロ・バルボサ(33)も14得点を挙げたものの土壇場でエースを欠いたウォリアーズは失速。歴代1位のレギュラーシーズン73勝とホーム通算54連勝、そして歴代2位の開幕24連勝を挙げた今季はプレーオフを含めて105試合を消化してもまだ栄冠には手が届かない状況となった。

 西地区決勝(対サンダー)では史上10チーム目となる1勝3敗からの逆転でファイナルに進出。V率3・9%という難関をくぐり抜けてきたが、今度は相手にその“奇跡へのチャンス”を譲り渡すピンチとなった。イグダーラが完調でなくなると“ジェームズ・ストッパー”が不在となる恐れがあり、今季通算50勝4敗(勝率・926)という好成績を挙げているホームでの最終戦とは言え苦戦は必至。記録ラッシュとなった今季を昨季に続く優勝で締めくくるには、クールでかつ粘り強い団結力が必要になるだろう。

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