リオ五輪女子団体戦金の鍵は美誠 打倒中国へダブルス徹底強化

[ 2016年3月8日 05:30 ]

銀メダルを手に笑顔の(前列左から)伊藤、石川、福原、水谷、丹羽、吉村(後列左から)浜本、若宮、大島、松平

 6日までマレーシアで開催された卓球の世界選手権団体戦で2大会連続の銀メダルを獲得した女子の村上恭和監督(58)が7日、今後の世界ツアーでダブルス強化に本腰を入れることを明かした。団体戦メンバーの伊藤美誠(みま、15=スターツ)が軸になり、月替わりで福原愛(27=ANA)、石川佳純(23=全農)と組ませてコンビネーションを高めていく。日本代表は同日、成田空港着の航空機で帰国した。

 節目の大会が終わり、リオに向けて動きだす。村上監督は今後の世界ツアーでの五輪代表候補3人の起用について「大事なのはダブルス。3月は福原と(伊藤)美誠、4月は石川と美誠で行きます」と説明した。2大会連続銀メダルだった世界選手権団体戦に集中させるために、3カ月中断していたダブルスの強化を本格化させる。鍵を握るのは伊藤だ。

 今月下旬のカタール―クウェートの中東連戦は福原、伊藤組で既にエントリー済み。指揮官は4月のポーランド・オープンで石川、伊藤組で臨むプランを考えている。5月は強化期間。「4月中に各国の代表が分かり、ダブルスのペアも見えてくる」。その分析を基に、代表合宿では他国ペアを想定して2つのペアで徹底的に練習。6月の4試合で「仕上げる」という計画だ。福原、石川組はオーダーの編成上組む考えは現状ないという。

 全てシングルスだった世界選手権団体戦と違い、五輪の団体戦は3番手の試合だけはダブルスになる。実力者ぞろいの女子はここでの1勝を計算できるのが強み。また、ダブルスを一つのペアに限定しないことで「オーダーが読まれにくい」と村上監督は説明する。柔軟な作戦でロンドン五輪は銀メダルを獲得した。

 今大会でストレート負けした中国にも、平野美宇と組んで既に世界的な実績がある伊藤が他の2人とのコンビに磨きをかければ、ダブルスは対抗できる可能性がある。団体戦の出場決定は5月の国別ランキングで決まり、日本は男女ともに確実。2大会連続のメダル、そして頂点へ。伊藤のダブルス英才教育に全力を尽くす。

 ▽五輪の卓球団体戦 メンバーは3人。試合は(1)シングルス(2)シングルス(3)ダブルス(4)シングルス(5)シングルスの順で行う。先に3勝したチームが勝ち。3人のうち1人はシングルス2試合に出場。残り2人がシングルス1試合とダブルス1試合に出る。メンバーのうち2人は個人競技のシングルスにも出場し、残り1人が団体戦のみの出場。日本女子のシングルス代表は福原と石川、団体戦のみの代表が伊藤。

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2016年3月8日のニュース