真央 SP出遅れも7季ぶり3―3回転「認定してもらえてうれしい」

[ 2015年11月28日 05:30 ]

得点を伸ばせず4位発進となった浅田

フィギュアスケートGPシリーズ最終戦NHK杯第1日

(11月27日 長野市・ビッグハット)
 フィギュアスケートのGPシリーズ・NHK杯の女子ショートプログラム(SP)で、浅田真央(25=中京大)は62・50点の4位と出遅れた。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は転倒で今季初めて失敗したが、3―3回転の連続ジャンプは7季ぶりに決めた。69・53点で首位に立った宮原知子(17=関大高)とは7・03点差で、28日のフリーで逆転を目指す。

 大技に失敗しても、次のジャンプで意地を見せた。浅田は冒頭のトリプルアクセルで転倒。「着地で足の力が足りなかった。もうちょっと踏ん張っていれば、降りられたかな」。すぐに立ち上がり、気持ちを切り替え3回転フリップ―3回転ループを決めた。3―3回転の成功は09年3月の世界選手権以来、7季ぶり。「認定してもらえてうれしい」。3回転ルッツも1回転になる中、連続3回転の成功に確かな手応えを得た。

 1年の休養を経て10月のジャパン・オープン(フリーのみ)で復帰。トリプルアクセルを決め、自己ベストに肉薄する高得点をいきなりマークすると、GP復帰戦の中国杯でも優勝。SP、フリーで大技に成功した。順調なステップに映ったが、浅田は自分に問いかけていた。「思っている以上に初戦とGP初戦が良かった。このままとんとん拍子にいくのかな、ちょっと待てよという感じがあった」と明かした。

 満足感から程遠いこの日のSPだったが、前向きに捉えている。「何かあった方が気持ち新たに進めると、いい方に捉えたい」。演技直前の6分間練習では、今のSPの構成にはない単発の3回転ループも跳んだ。予定ジャンプをこなせなかった場合を想定した準備だった。現役続行を決断してから今までの練習でも、まだ波がある。「全てのジャンプが日によって違う。そこが私の弱いところ」という状態だからこそ、“引き出し”の多さが重要になる。

 28日のフリーを終えて4位以内なら、ファイナル進出が自力で決まる。首位・宮原との7・03点差は逆転圏内だ。「フリーは、初戦(ジャパン・オープン)とGP初戦(中国杯)と2試合やってきた。それ以上にできるように頑張りたい」。通算16勝目に向け、浅田がお気に入りの「蝶々夫人」で逆襲する。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月28日のニュース