内村航平と浅田真央をつなぐキーワードは僧帽筋

[ 2015年11月28日 10:10 ]

体操の世界選手権で個人総合6連覇した内村航平とフィギュア中国杯で優勝した浅田真央(AP)

 体操の内村航平が強さを見せつけた英国・グラスゴーと、フィギュアスケートの浅田真央がGP復帰戦を飾った中国・北京で、2人をつなぐキーワードに出会った。首から肩にかけて広がる「僧帽筋」が、体操界のキングを窮地から救い、銀盤のヒロインをさらなる進化に導いた。

 体操世界選手権の団体総合予選の床運動で、内村は頭部を強打。周囲は演技に影響する首の負傷を心配したが、深刻なダメージはなかった。持ち前の美しい演技で、左右にブレず真っすぐに頭部を打ったことに加え、僧帽筋がクッションの役割を果たしたという。右肩には少し痛みが出たが、団体決勝、個人総合、種目別の鉄棒を制し、自身初めて3冠を達成した。

 浅田は14~15年シーズンを休養し、今季リンクに帰ってきた。休養前から僧帽筋を鍛えるトレーニングを行っており、復帰に向けても同じように汗を流してきた。肩のラインが美しくなると同時に、肩周りの可動域も広がり、腕を優雅にしなやかに使うことができる。GPシリーズ・中国杯では、トリプルアクセルなどのジャンプだけでなく、表現面でも変わらぬ高い評価を得た。

 2大会を取材するため、グラスゴーから帰国した翌日に北京に飛んだ。強行スケジュールの影響か、かつてないほど肩こりが激しい。僕は床に頭を打つこともないだろうし、腕をしなやかに使う必要もないだろうけれど、僧帽筋と肩こりが密接に関係しているという話を聞いて、強化を始めてみた。効果が出るには、もう少し時間がかかりそうだ。(杉本 亮輔)

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2015年11月28日のニュース