前田 下克上だ!出場選手最下位28位もバースデー首位発進

[ 2015年11月27日 05:30 ]

<LPGAツアー選手権リコー杯初日>18番、ホールアウトし同組の田仁智(左)と笑顔で抱き合う前田

女子ゴルフツアーLPGAツアー選手権リコー杯第1日

(11月26日 宮崎県宮崎市 宮崎カントリークラブ=6448ヤード、パー72)
 26日が31歳の誕生日だった前田陽子(伊藤園)が4バーディー、1ボギーの3アンダー、69で回り単独首位に立った。賞金ランクは出場選手中最下位の28位。「下克上」でツアー通算3勝目、メジャー初優勝を目指す。1打差の2位に申ジエ(27)、2打差の3位にアン・ソンジュ(28=いずれも韓国)がつけている。

 平均スコア4・5714で最難関ホールとなった18番。前田は2メートルのパットを沈めてパーで締めくくった。TOTOジャパンクラシック最終日以来の69に「全体的に良かった。60台は久しぶりなので本当にうれしい」と笑みを浮かべた。

 この日が31歳の誕生日。プロ仲間や関係者から多くのプレゼントを贈られた。プレー中は「気にしていなかった」というが初の首位発進は自分へのプレゼントになった。

 1番で7メートルをねじ込みバーディー発進。5番パー3も7メートルの好機を生かした。15番ではエッジから16メートルをパターで放り込み、171ヤードの16番パー3はUTで2メートルにつけて連続バーディー。多くの選手が風で苦しむ中でスコアを伸ばした。

 直近2試合はショットが定まらず予選落ち。2年前から指導を受ける今堀りつ(66)に電話をかけて「球がつかまらない」と打ち明けた。今週、会場に足を運んだ今堀の助言で軸のズレを修正。師匠から「1年間やってきたことを4日間で出せるよう頑張りなさい」と背中を押された。

 06年にプロ転向したがツアーに出られなかった8年間は段ボール工場でアルバイトをした苦労人。今堀は「吸収力がある。人の話を聞いて自分に合うものをうまく取り入れる」と評す。この日も同組だった今年の全米女子オープン覇者・田仁智から何かを学ぼうと観察。難しい風が吹く10番で1Wでフェアウエー中央に運んだ姿を見て「右に行かせたくないホール。左からの風なのにドライバーをバシッと打ってさすがだなと思った」とうなった。

 賞金ランク28位は出場選手最下位。メジャー初制覇なら「下克上」になるが「全く優勝は考えていない」と欲は出さない。「強い選手が集まっている大会なので、自分の力がどれだけなのか挑戦的な気持ちでいく」とチャレンジャーの姿勢を貫く。

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2015年11月27日のニュース