遼 兄弟タッグで1打差2位発進!「背中で伝えられたら」

[ 2015年11月27日 05:30 ]

<カシオワールドOP初日>8番、長いバーディーパットを沈める石川遼。キャディーで弟の航くん(手前)もビックリ!?

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン第1日

(11月26日 高知県安芸郡 Kochi黒潮カントリークラブ=7315ヤード、パー72)
 兄弟船で2位発進だ。ホストプロの石川遼(24=CASIO)は高校1年の弟・航(わたる)くん(15)との初タッグで、ボギーなしの4バーディー、68をマーク。弟へ小技を中心に“レッスン”をしながら、好スタートを切った。平塚哲二(44=甲賀CC)が67を出し、単独首位発進した。

 世界で戦うアスリートの顔から、最後は兄のそれに変わった。最終9番を終えた石川は優しいほほ笑みを浮かべ、弟の航くんと握手。「本当、頑張ってくれました。二人三脚でできました。僕にとってはまだまだ赤ちゃんのイメージしかなくて。本当に担げるのかなと思ったんですけど」。2位発進の後押しをしてくれた航くんへ感謝の言葉を送った。

 昨年は妹の葉子さん(19)をキャディーにこの大会など2試合でタッグを組んでいる石川は、この日も随所に兄の優しさを見せた。航くんは埼玉・浦和高校入学後、ほぼ毎日、学校から帰宅後、練習場へ向かい3時間ほど練習している。大会でのベストスコアは72だが、向上心のある航くんのことを思い、石川が提案して今回のタッグが実現。だが、初体験ということもあり、クラブなど含め通常15キロ前後にもなるキャディーバッグは、バッグ自体を軽量のものに替え、持ち運ぶものも厳選して普段より4キロほど軽くした。

 スタートの10番パー5での第3打地点では同組の選手の飛球線上に立っていた航くんに気付き、すぐに邪魔にならない場所へ移動させた。バンカーならしや、計測は任せたが、クラブ選択やグリーンの読みなどはほぼ全て自分でやった。

 同時に兄の貫禄も示した。兄弟で飛距離の差があることもあり、「普段からアプローチを教えてほしいというのがあるから、一番見たいんじゃないかな」とアプローチやパットの小技で随所に手本を示した。14番はグリーン左ラフから50センチに寄せ、17番はバンカーショットを披露してパーセーブ。後半は2番で20メートルのパット、8番でカラーから16メートルをパターでねじ込みバーディー。「近くで見て上手だな。いろいろ考えてやっているんだなと思った」と弟をうならせた。

 会話はそんなに多くなかったが、「僕が今からこう打つから見ておけというように無言で、背中で伝えられたらなと思ってやりました」との石川の意図は、ボギーなしの68の好スコアにしっかりと表れた。弟の存在は確かに兄にとって大きなモチベーションとなった。首位と1打差。兄と弟、手を取り合ってビクトリーロードを歩く。

 【過去の異色タッグ】
 ★横峯さくら デビュー当時は父・良郎さんがほぼ専属でキャディー。プレー中の親子げんかも有名だった。
 ★勝みなみ ゴルフ素人の母・久美さんとのほのぼのタッグ。クラブをグリーン脇に忘れたり、キャスター付きのキャディーバッグがきちんと止まらず動きだしたりハプニング多し。
 ★藤田光里 妹・美里さんとの美人姉妹コンビ。美里さんはキャディーがきっかけで有名カメラマンに見初められ、モデルへ華麗なる転身。
 ★谷口拓也 同じ四国出身の縁で仲良くなった当時、メジャーリーカーの岩村明憲と07年ブリヂストン・オープンでコンビを結成。岩村の座右の銘「何苦楚魂(なにくそだましい)」で8位の好発進。
 ★片山晋呉 教えを授ける諸見里しのぶや山村彩恵の女子プロから、女子高生、人妻ら“片山女学園”のメンバーが時々、バッグを担ぐ。

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