さあW杯開幕!エディーJ ベスト布陣で「真っ向勝負」

[ 2015年9月18日 05:30 ]

抱負を述べるジョーンズ・ヘッドコーチ(左はリーチ主将)

 ラグビーのW杯は18日(日本時間19日未明)、ラグビー発祥の地イングランドで開幕する。8大会連続で出場する日本代表は17日、1次リーグ初戦となる19日(同20日午前0時45分開始)の南アフリカ戦の登録メンバー23人を発表。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(55)は4年間宣言してきた通り、中3日で迎えるスコットランドとの第2戦のための温存策を取らず、ベストメンバーを選んだと断言。初対戦となる優勝候補に、真っ向勝負を挑む。

 メンバーが発表された瞬間、報道陣からは戸惑いの声も漏れた。ウイングにはチーム最速の福岡堅樹(筑波大)が起用されなかった。それでもジョーンズHCは「この試合に対してベストの23人を選んだだけ。真っ向勝負する準備はできている」と言い切った。フィジカルが強い南アフリカには守備でも力を発揮する山田を起用。適材適所でベストの布陣を組んだ。

 W杯1次リーグの組み合わせと試合日程が決定したのが、12年12月。ジョーンズHCはそれ以降、中3日で初戦の南アフリカ戦と2戦目のスコットランド戦をどう戦うかを熟考し続けた。過去2大会を率いたジョン・カーワン前HCは先発を大幅に入れ替える2チーム制を採用し、11年大会では2戦目のニュージーランド戦にセカンドチームをぶつけた。初戦のフランス戦から先発10人を変更する行為に、相手のヘンリーHCは敬意を欠く行為として激怒。世界最強軍団もメンバーを落としたが、それでも7―83で完敗した苦い歴史がある。

 主力と控えを色分けし、賛否両論あった2チーム制は結果的に1勝もできなかった。何よりジョーンズHCは、選手の士気に関わるとして嫌悪感を示してきた。打開策は、ベストメンバーで2試合連続の真っ向勝負を可能にする力を選手が付けることのみ。4年間で53試合を積んだ中、中2日で3試合、中3日で4試合と殺人的なスケジュールをあえて組んだのも、この2試合のためだ。

 戦術も固まっている。ともに体格で日本を上回り、ラインアウトやスクラムなどセットピースを得意とする両チーム。指揮官は「両チームは世界でもラインアウトの強さは有数。セットピースを除外した展開にし、相手を混乱させるカオスの状態をつくる」と語ってきた。ボール保持率を高め、運動量で上回り、わずかな隙を突いていく。4年間、提唱し続けてきたジャパンウエーは、この2戦のために準備してきたも同然だ。

 リーチ主将も「この4年間、この1試合目のためにやってきた」と言い切った。幕下が横綱に挑む。23人は超特大金星を目指して戦うだけだ。

 ▽第8回ラグビーW杯 91年の第2回大会以来、24年ぶりにイングランドで開催。出場チームは20。イングランドとウェールズの計13会場で、10月31日の決勝まで全48試合が開催。1次リーグは5チーム4組に分かれ、総当たりで対戦。各組上位2チームが決勝トーナメントに進出できる。すでに07年フランス大会を上回る約230万枚のチケットが売れており、興行収入面でも過去最大の大会となることが確実視される。

続きを表示

この記事のフォト

2015年9月18日のニュース