カーママ肝っ玉4連勝! 格上ドイツ撃破で五輪切符グイッ

[ 2013年12月14日 05:30 ]

ドイツに勝って喜ぶ北海道銀行の小笠原(奥)と苫米地

カーリング ソチ五輪世界最終予選第4日

(12月13日 ドイツ・フュッセン)
 1次リーグが行われ、女子日本代表の北海道銀行は強豪ドイツに10―4と快勝し、4連勝で五輪切符を引き寄せた。3―2で迎えた第5エンドに3点のスチールに成功。その後も正確なショットで突き放し、第9エンドで2点を挙げるとドイツはギブアップした。男子日本代表のSC軽井沢クはチェコに5―6と敗れ、1勝5敗で1次リーグ敗退が決まり、日本勢で4大会ぶりの五輪出場はならなかった。

 “カーママ”の勢いが止まらない。世界ランク10位の日本が格上の同8位のドイツに完勝。4戦全勝で上位3チームのプレーオフ進出に大きく前進した。経験豊富な小笠原も、スキップとして顔を合わせるのは初めてという強豪が相手。プレーオフで再戦する可能性もあり「ここで勝っておくことが大事」と目の色を変えて臨んだ一戦で、価値ある1勝を手にした。

 流れを引き寄せたのは3―2で迎えた第5エンドだった。不利な先攻ながら、日本は氷を掃くスイーパーとの連係、氷の読み(アイスリーディング)がかみ合い「慎重に投げようと思った」と振り返った船山に加えて小笠原の両ベテランがハウス内にストーンをピタリと止める好ショットを連発。特に小笠原が投じた最後のショットはハウス内で相手のストーンのコースを消す絶妙の位置に止まった。直後にドイツが最終ショットでミスして日本に大量3点が舞い込み、流れが決まった。

 母は強し。結婚、出産を経て再び氷上に戻った小笠原と船山。小笠原は「出産を経験し、カーリングの試合が怖くなくなった」と精神面での変化を口にする。9月の代表選考会では「怖かった。まだ(子供が)一人だけじゃ足りなかった」と苦笑いする場面もあったが、舞台が大きくなればなるほど度胸が据わった。

 ドイツ戦は最初のヤマ場だった。今大会初めて日本より世界ランクが上の国との対戦。小笠原はアルプスの山々を望むリンクへの道すがら「この試合に負けたら五輪はないよ」とチームメートを鼓舞した。司令塔のひと言がムードをつくり、集中力を高めた。4人が何度もハイタッチした会心の白星。4―7から大逆転した前日のラトビア戦に続く勝利に小笠原は「いい試合ができた。でも、まだまだここからですからね」と笑った。プレーオフで五輪出場に2度チャレンジできる2位での突破にも大きく弾みをつけた。ようやく見えてきたソチ五輪への道。最後まで油断はない。

 ▽ソチ五輪出場への道 女子の最終予選はドイツ、日本、中国、イタリア、ラトビア、チェコ、ノルウェーの7カ国が2枠を争う。総当たりリーグ戦の上位3チームがプレーオフへ進出し、1位と2位の勝者が五輪出場権を獲得。敗れたチームは3位と対戦し勝者が最後の出場権を獲得する。

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2013年12月14日のニュース