勝てなくても…努力見守った藍も涙「本当に尊敬できるお兄ちゃん」

[ 2013年12月9日 05:30 ]

涙を流し喜ぶ(左から)宮里藍、父・優さん、母・豊子さん

男子ゴルフツアー日本シリーズJTカップ最終日

(12月8日 東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70)
 歓喜の瞬間に瞳がかすんだ。兄・優作の初優勝が懸かった最終18番。運命の行方を見届けた妹の藍は両親と抱き合った。

 「重圧の中でパーで上がって格好良かった。腐らずコツコツと努力しているのを知っていたし、本当に尊敬できるお兄ちゃん」

 その兄とも涙を浮かべながら抱き合うと、2ショットを撮影しようとしたカメラマンに取り囲まれながら喜びに浸った。

 気温10度まで冷え込む会場。ダウンジャケットを着込んで熱い声援を送った。兄は出だしの1番で1Wを曲げてボギーとして嫌な空気が流れたが、勝利を信じる藍の表情は最後まで変わることはなかった。2年前にも同大会を観戦に訪れ、兄は5位に終わった。プレッシャーになると思い、テレビ観戦も考えたというが「どんな時でも勝つ時は勝つし負ける時は負ける」と心に決め、2年ぶりの生観戦を決意した。

 自身は今季5年ぶりに1勝も挙げられずに終わった。2月には遠征先のタイで車の追突事故に巻き込まれ、首痛となる不安も抱えていた。そんな時には長兄・聖志、次兄・優作、2人の兄と連絡を取り合い「心の支えになってくれた。凄くいい兄に恵まれている」と感謝した。宮里家はいつも固い絆で結ばれている。

 日本女子ゴルフ界の第一人者でもある勝負師は兄の初勝利に「刺激になった。来年は優勝をしたい」と大きなモチベーションで次のシーズンに臨む。そして初優勝を挙げた兄には「2勝目は難しいと言われているけど1勝しないと何も始まらない。この感覚のあるうちにまた次、頑張ってほしい」と心からエールを送った。

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2013年12月9日のニュース