体操の女性コーチ書類送検 指導中、女子選手2人に暴力容疑

[ 2013年12月9日 13:59 ]

 体操の女子選手が暴力的指導を受けたと日本オリンピック委員会(JOC)に訴えた問題で、大阪府警捜査1課は9日、指導中に女子選手2人を暴行し鼻を骨折させたなどとして、傷害容疑で同府泉大津市にある体操クラブの女性コーチ(42)を書類送検した。

 捜査1課は、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。同課によると「指導の範囲だった」と容疑を否認している。

 女性コーチはJOCの強化スタッフを務め、2010年広州アジア大会の日本選手団に女子コーチとして加わった。JOCはクラブやコーチ名を公表していない。

 スポーツ界での暴力指導問題の発覚を受け、JOCは3月、通報相談窓口を新設。今回の問題が第1号の本格調査だった。JOCの弁護士が7月、府警に相談。JOCによると、窓口に寄せられた事案の刑事責任が追及されるのは初めて。

 被害者の1人はユニバーシアードの元日本代表だった。2人は既にクラブを辞めている。

 送検容疑は11年1月、当時10代の選手に「体重管理ができていない」と言ってバインダーで頭をたたいた上、後日退部を申し出たことに怒り髪をつかんで振り回し、鼻を殴って骨折させた疑い。

 また10年12月には別の10代の選手に「演技に気持ちが入っていない。練習しなくていいから帰れ」と言い階段から突き飛ばして転落させ、足に打撲を負わせた疑い。

 日本体操協会の渡辺守成専務理事は「書類送検されたことは重く受け止めている。捜査の推移を見守り、事実認定されれば処分を検討したい」と話した。協会は7月からコーチに調査をしていたが、暴力行為を全面否定していたという。

続きを表示

2013年12月9日のニュース