竹内 “本物”2位 V逸も王者警戒「優勝は時間の問題」

[ 2013年12月9日 05:30 ]

W杯ジャンプ男子個人第3戦で2位に入った竹内択

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子個人第3戦

(12月7日 ノルウェー・リレハンメル)
 竹内択(26=北野建設)が新エース襲名に向けて自己最高位に並ぶ2位に入った。HS100メートル、K点90メートルで行われ、1回目に99メートルで2番手につけると、2回目も100・5メートルで合計283・5点。最後はグレゴア・シュリーレンツァウアー(23=オーストリア)に抜かれたものの、“ホネホネジャンプ”で開幕3試合は全て1桁順位、総合ランキングも2位に浮上した。葛西紀明(41=土屋ホーム)は10位、伊東大貴(27=雪印メグミルク)は13位だった。

 竹内の大ジャンプを見上げて大ベテランの葛西がつぶやいた。「そろそろ竹内の時代が来るんじゃないかと思ってた」。重圧のかかる2回目、竹内はヒルサイズを超える100・5メートルで一時首位に立った。直後に最終スタートのシュリーレンツァウアーに抜かれはしたが、優勝の可能性を感じさせる惜敗だった。

 「このままやっていけばいつかは勝てる」。今季は開幕戦からエースの伊東以上に安定した力を発揮。充実感をにじませた。W杯歴代最多優勝を誇るシュリーレンツァウアーも「危険な存在。優勝するのも時間の問題」と警戒感を強めた。

 全日本の横川朝治ヘッドコーチは「アプローチのバランスが良くなったから立ち上がりが自然と良くなった」と好調の要因を分析する。今夏から筋肉や骨の動きのメカニズムを学んで自らの状態を把握できるようになった。友人の理学療法士の助言を受けて「筋肉で支えずに骨で組むアプローチ」に取り組んでいる。硬い骨と骨を鉄骨のように組み上げて滑るイメージの“ホネホネジャンプ”は、助走で筋力を使わない分、踏み切りでの力強さが増している。

 W杯では昨季2月のドイツ大会以来となる2位だが「前回は心臓バクバク。今回は余裕をもって飛べた」と精神面もひと味違った。弟の寿(とし、20)はジュノン・スーパーボーイ・コンテストグランプリに輝いたことのある俳優で、竹内も細面のイケメンジャンパー。五輪を前に日本の新エースとして確実に脱皮しつつある。

 ◆竹内 択(たけうち・たく)1987年(昭62)5月20日、長野県飯山市生まれの26歳。6歳からスキーを始め、長野五輪を機に飯山市スキークラブに入る。飯山第一中から高校はフィンランドに留学。帰国後の06年7月から北野建設スキー部に所属。バンクーバー五輪ではノーマルヒル34位、ラージヒル37位、団体5位。1メートル75、62キロ。

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2013年12月9日のニュース