稀勢の里 逆転Vへ望み!千秋楽全勝対決許さん!

[ 2013年11月22日 05:30 ]

千代大龍(左)を押し出しで破る稀勢の里

大相撲九州場所12日目

(11月21日 福岡国際センター)
 大関・稀勢の里が千代大龍との2敗同士の対決に勝ち、逆転優勝に望みをつないだ。5場所連続Vを目指す白鵬は、大関獲りの足場固めを狙う関脇・豪栄道を下し12戦全勝。5場所ぶりの賜杯を狙う日馬富士も関脇・栃煌山を寄り切り全勝をキープした。横綱2人が初日から12連勝するのは01年初場所の貴乃花、武蔵丸以来。豪栄道は6敗目を喫した。

 稀勢の里が賜杯レースに踏みとどまった。千代大龍に頭からガツンと当たって気勢をそぐと、相手をよく見ながら、引いたところをプッシュ。あわてず休まず攻め、まわしにこだわらずに押し出した。

 綱獲りだった名古屋場所では引き技で崩され痛恨の黒星。先場所は土俵際で突き出された相手。その苦い黒星をしっかりと頭に入れていた。「イメージ通り?まあ、そうですね。圧力があるし、引くのもうまいですからね。(まわしに関係なく)前に出ようと思っていました」

 これで、13日目の日馬富士戦にも弾みがつく。北の湖理事長(元横綱)は、「千代大龍も、相手が頭からくるとは思っていなかったんじゃないか。腰も落ちていて良かった。これで乗ってくるんじゃないかな」と横綱戦に期待した。

 横綱同士による千秋楽全勝対決は、史上わずか4度。83年秋場所が最後だ。その土俵に立っていたのは、今は亡き先代師匠の横綱・隆の里と、千代の富士(現九重親方)。一大決戦を制したのが先代だった。

 それから約30年が経過。大関として、目の前で両横綱に無敗街道を許している現状が歯がゆい。先月には先代の三回忌を済ませたばかり。この日、両横綱の千秋楽全勝決戦を自力で阻止できる立場にあることを問われると「それしかないでしょ」と珍しく語気を強めた。

 白鵬の連勝を10年九州場所2日目に「63」で、今年名古屋場所14日目には「43」で止めている。北の湖理事長は「優勝争いの鍵を握るのは稀勢の里。乗ってきているから日馬富士も怖いだろう」と話す。まずは先場所撃破した日馬富士に連勝し、30年前の再現を食い止める。

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2013年11月22日のニュース