新三役・高安　初日対戦の白鵬撃破へ意欲

大相撲秋場所

　２３歳の肉体はみるみる赤くなっていった。秋場所２日前。高安は３９番も稀勢の里の胸を借りた。１日２０番前後の申し合いが主流になる中、場所２日前に３９番は異例。大関から１２勝を挙げ「最後にいい稽古ができた」と充実の表情を浮かべた。

　緊張の新三役初日は４場所連続優勝を目指す白鵬に決定。過去４戦全敗の高い壁だが、名古屋場所は２８秒も粘って横綱を慌てさせた。順調な仕上がりに「いいモチべーションでいければ（今場所は）いいところまでいけるんじゃないか。横綱に中盤で当たるよりは初日の方がチャンスがある」。普段は寡黙な男から珍しく強気の言葉が口をついた。平成生まれでは常に先頭を走ってきた。０７年春場所の時天空以来となる新三役初陣での横綱戦勝に向け「自分が頑張って（上位の）星をぐちゃぐちゃにしたい」とどこまでも頼もしかった。