イスタンブール デモでIOC委員から否定的発言

[ 2013年6月17日 19:41 ]

 好調なトルコ経済を背景に2020年夏季五輪招致レースで有力視されたイスタンブールは、市中心部の再開発計画への抗議行動に端を発した反政府デモがトルコ全土に広がり、大きく失速した。慎重だった国際オリンピック委員会(IOC)委員から、否定的な発言が出始めた。

 匿名を条件にある有力委員は「彼らが大きな困難に直面したのは間違いない」と語った。東南アジアの委員も「イスタンブールの状況は悪い」と話した。複数の委員がイスタンブールの当選は難しくなったとの見方を示した。

 開催都市を決める9月7日の総会まで3カ月近くあり、イスタンブールを傷つけるような発言を控える委員は多い。ギラディ委員(イスラエル)は「予測不可能な事態はどの国、どの都市でも起こり得る。イスタンブールがもう無理だと判断するなら、あまりに早計だ」と今後の事態の推移を注視する。

 しかし、普段は取材に率直に答えるコーツ理事(オーストラリア)は「今回だけはコメントを控えたい」と質問を避けた。その緊張した表情が、状況の深刻さを物語った。(共同)

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2013年6月17日のニュース