森田 逆転で通算5勝目!バックナインで5バーディー

[ 2013年6月17日 06:00 ]

逆転で優勝を決め若林(左)らから「私が主役です」のタスキをかけてもらう森田

女子ゴルフツアーサントリー・レディース最終日

(6月16日 兵庫県神戸市・六甲国際GC=6537ヤード、パー72)
 首位に3打差の6位から出たホステスプロの森田理香子(23=リコー)が逆転で通算5勝目となる今季3勝目を飾った。ボギーが先行しながら、10番からのバックナインで5バーディーを稼ぐなど6バーディーで67をマーク。通算10アンダーでかわした。賞金ランキングも2位に3000万円以上の差をつけてトップをキープした。首位スタートの金田久美子(23=ミュゼプラチナム)は71と伸ばせず通算9アンダーで2位。号泣のV逸となった。

 未来の女王にふさわしい、圧巻の逆転劇だった。勝負のバックナインで森田が31をマーク。サントリーとスポンサー契約を結ぶホステスプロが存分に強さを見せつけた。

 「ボギー先行だったけど、後半、後半と思ってできた。でも、こん なにバーディーが取れるとは思わなかった」

 本人も驚くバーディーラッシュだった。2番で1メートルを外してボギーを叩いたが、呪文のように師匠の岡本綾子の「勝負はバックナイン」という教えを自らに言い聞かせた。すると、いきなり10、11番で連続バーディー。15番では1メートルにつけて首位に並んだ。16番で1・5メートルのチャンスを外したが、17番で再びスコアを伸ばすと18番は運も味方につけた。5メートルのバーディーパットが残ったが、先に打った横峯、中村も同じようなラインで予習できた。「“先生”が2人もいたので思ったところに打てた」。これをねじ込み首位でホールアウト。残り2組を待って今季3勝目が決まった。

 今季36試合中15試合目で、昨年の獲得賞金額(約7635万円)を1000万円以上も上回った。しかも15試合での約8691万円は過去最高ペース。師匠から毎試合のように欠点などを指摘されていたスイングは「良くなってきたから、自信を持ってやりなさい」と最近になってお墨付きを得た。女王獲りへ独走気配を漂わせるが、それでも「16番も外したし、プレッシャーがかかった時に入れないと岡本さんみたいにはなれない」と慢心は一切ない。よりきれいなスイング、より強いゴルファー。常に上を目指すからこそ、初日45位の出遅れにもくじけず、4日間大会で初めて優勝トロフィーを掲げられた。

 観戦に来た父・邦夫さん(52)へ最高の恩返しもできた。「父の日は覚えていなかった」。そう苦笑いしたが、ジュニア時代にコースへの送迎や金銭面での負担をいとわなかった父の存在なくして今の森田はない。「まだ6月。私の目標は次にまた1勝すること」。新時代の到来を告げる強くて若いゴルファーはどこまでも貪欲だ。

 ≪45位からは、歴代7位タイの逆転劇≫森田は今季、全15試合に出場。3勝を挙げ、年間獲得賞金額は8691万4571円。過去最高の年間獲得賞金は09年の横峯さくらの1億7501万6384円。15試合での獲得賞金額もこの時の7578万1000円が最高。森田はそれを上回るハイペース。初日45位からの優勝は歴代7位タイの逆転劇。過去最大逆転は02年廣済堂レディースの藤野オリエ、04年再春館レディースの不動裕理が記録した初日51位。4日間大会に限れば、89年のコニカカップの谷福美の初日50位、98年のグンゼカップのL・ノイマンの初日49位に次ぐ3位。

 ▽全英リコー女子オープン出場権 今大会終了時の賞金ランク上位5人(森田、佐伯、横峯、比嘉、茂木)の出場が確定。昨年の賞金女王で出場資格がある全美貞(ジョンミジョン)と合わせて計6人が出場権を獲得した。

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