20年夏季五輪招致 東京優勢の見方拡大「安心、安全」評価

[ 2013年6月17日 19:36 ]

 2020年夏季五輪開催都市を決める9月7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会まで3カ月を切り、開催都市を投票で選ぶIOC委員の間で東京が優勢との見方が拡大していることが17日、分かった。複数の有力委員が東京優勢を明らかにした。東京が訴える「安心、安全な五輪」が評価され、招致争いでイスタンブールとマドリードをリードする情勢となった。

 これまではイスラム圏初開催を目指すイスタンブールが有力候補とされた。東京急浮上の背景には、5月31日に発生しトルコ全土に広がった反政府デモへの懸念がある。マドリードには、スペイン経済が危機から脱却の見通しが立たないという弱点がある。開催理念の不明確さが欠点とされた東京は、ここにきて「安心、安全」という長所がクローズアップされた。IOCにとって「安全な選択」として映ったものとみられる。

 3都市は6月15日にスイスのローザンヌで開かれた各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会で、5月の国際スポーツ会議に続き2度目の招致プレゼンテーションを行った。理事経験を持つ有力委員が「このままミスをしなければ東京だ」と語り、欧州のベテランIOC委員は「東京は当選を確実にするまで、あと一歩のところまできた。ここで傲慢になってはいけないと助言したい」と話した。オセアニアの委員も「東京は非常に強い」と述べた。

 トルコ政府はデモ隊が占拠していたイスタンブール中心部のゲジ公園に警官隊を突入させ、強制排除に踏み切った。これまでイスタンブール支持とみられたアジアの委員は「大きなダメージだ。(勝つのは)マドリードか東京」と発言した。

 3都市は7月3、4日にローザンヌで開かれる開催計画説明会で、投票権を持つ約100人の委員にプレゼンと個別説明を行う。16年五輪開催を勝ち取ったリオデジャネイロは、09年のこの会議で招致成功の流れをつくったといわれる。ライバル都市が巻き返す可能性はあり、支持を広げたい東京にとって油断できない状況が続く。

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2013年6月17日のニュース