沙羅 3冠へ「楽しみつつ結果を」 22日世界選手権

[ 2013年2月19日 06:00 ]

W杯ジャンプ女子で個人総合優勝を果たし、表彰台で笑顔を見せる高梨沙羅(中央)=提供写真

 高梨沙羅(16=グレースマウンテン・インターナショナル)が“シーズン3冠”に挑む。17日のW杯スロベニア大会で今季8勝目を挙げ、16歳4カ月でスキーW杯史上最年少総合優勝が決定。22日にはイタリア・バルディフィエメでの世界選手権の女子ノーマルヒルに臨む。1月には強豪がそろった世界ジュニアも制しており、さらなるビッグタイトル獲得にも期待が膨らむ。

 W杯で年間8勝目を挙げ、2試合を残して早々と総合優勝を決めた。今週の世界選手権でも高梨は金メダルの最右翼だ。「楽しみつつ結果がついてくればいい」と本人は気負いなく語るが、日本チームのエースとしても大きな期待を背負うことになる。

 2年前の前回大会では、日本勢は3大会ぶりにメダルなしに終わった。14歳だった高梨も6位止まり。試技では最長不倒の距離をマークしたが、濃霧に見舞われた1回目に踏み切りのタイミングが合わず出遅れた。だが、W杯を2シーズン戦ってきたことで強さと対応力は増している。

 先月の世界ジュニアではサラ・ヘンドリクソン(米国)やコリーヌ・マテル(フランス)らW杯のライバルたちを蹴散らして優勝を飾った。高梨の今季勝率は5割7分1厘。男子でW杯歴代最多48勝を誇り、現在最強といわれるグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)でさえ通算勝率は3割1分4厘。高梨の強さは際立つ。98年長野冬季五輪金メダルの船木和喜(フィット)は「高梨選手の成績はありえない」と驚き、「試合ごとに大きな狂いがないのは彼女が正確な動きをできるから」と説明した。

 W杯総合優勝は日本人ではノルディック複合の荻原健司以来で、モーグルの上村愛子ら種目別を含めれば7人目の年間覇者となった。「最高の一日になった」と喜んだ高梨の次なる戦いは、これもまた快挙に違いない“3冠”を懸けたものになる。

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2013年2月19日のニュース