浴室内の恋人に発砲と検察 ピストリウス容疑者は誤射を主張

[ 2013年2月19日 23:16 ]

19日、南アフリカの首都プレトリアで、頭部を覆い、法廷に向けて警察署を出るピストリウス容疑者(中央)

 恋人の女性(29)を射殺した疑いで訴追された南アフリカの両脚義足の五輪ランナー、オスカー・ピストリウス容疑者(26)の保釈をめぐる審理が19日、首都プレトリアの裁判所で開かれた。検察側は、同容疑者が浴室内にいた女性に発砲したと述べ、事件は計画的殺人だったと主張した。南ア通信などが伝えた。

 検察は保釈に反対。弁護側は、強盗と間違えて撃ったとする同容疑者の供述書を朗読し「殺人ではない」と強調した。スーツ姿の容疑者は法廷で涙を流した。審理は20日も開かれる。

 事件は14日未明、プレトリアの同容疑者宅で発生。検察によると、容疑者は義足を取り付け、浴室前まで歩いて4回発砲。恋人のモデル、リーバ・スティンカンプさんは鍵の掛かった浴室のドア越しに3発被弾した。

 スティンカンプさんは13日夕に容疑者宅を訪れ、事件時は家に2人しかいなかったという。検察は、誤射との主張には証拠がないと反論した。

 同容疑者は浴室から物音を聞き、怖くなって撃ったと供述。発砲後、スティンカンプさんがベッドにいないことに気付いたと主張した。計画的殺人で有罪となれば、終身刑の可能性がある。

 「ブレード・ランナー」の異名を持つ同容疑者は、五輪史上初の両脚義足の陸上選手として昨年のロンドン五輪に出場。ロンドンと北京、アテネのパラリンピックで多くのメダルを獲得した。

 19日には、スティンカンプさんの葬儀が故郷の南ア南部ポートエリザベスで営まれた。

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2013年2月19日のニュース