えっ!?優勝なの?帝京大、全勝対決制すも新規定知らず…

[ 2011年11月21日 06:00 ]

<明大・帝京大>接戦で明大を下した帝京大のフィフティーンもVと知らず淡々と整列

関東大学ラグビー対抗戦グループ 帝京大17―8明大

(11月20日 秩父宮)
 対抗戦グループで5戦全勝同士の対決は帝京大が明大を17―8で下し、3年ぶり2度目の優勝を果たした。主催の関東協会が今季から勝敗数が並んだ場合は同順位とする規定を明文化。6勝した帝京大を上回るチームがなくなったため、最終戦の筑波大戦(12月3日、熊谷)を残して優勝が決まったのだが、試合終了の瞬間は選手も優勝決定に気がつかないという異例の事態となった。なお残り1試合で1敗の明大と筑波大にも優勝の可能性がある。

 ノーサイドの瞬間、3年ぶりの対抗戦優勝を決めた帝京大フィフティーンが喜びを爆発させることはなかった。今季から順位決定方法が“変更”されたことを知らなかった選手たちは、最終戦の筑波大戦が優勝決定戦になると思っていたのだ。後半2分に貴重なトライを決めたSH滑川副将は「試合が終わって取材陣の方から初めて優勝を聞かされた。実感?全然ないです」。朗報にも戸惑いを隠さなかった。

 主催の関東協会は10月17日の理事会で対抗戦の順位決定方法を承認した。もともと対抗戦は定期戦方式でスタート。他のリーグと違って順位をつけないため優勝もなかった。しかし大学選手権や入れ替え戦のため便宜上の順位を決める。その1位が優勝として認識されるようになった。昨季は早慶明が6勝1敗で並び、総得失点差などで早大が優勝扱い。それが今季から「勝敗数が並んだ場合は同率同順位として結果を残す」と明文化された。昨季のケースなら3チームが優勝となる。

 しかし、明文化されたのが9月10日の開幕後だったため周知徹底が不十分。帝京大も最終戦で筑波大に負ければ両チームが6勝1敗で並ぶため、優勝が決まったという意識はなかった。この勝利で対抗戦で早慶明を撃破。69年の日体大以来42年ぶり2チーム目の快挙を達成した。しかし、FWで圧倒しながらゴール前のミスなどで不満が残る内容だったこともあって、SO森田主将は「筑波大に勝ってすっきりした形で優勝したい。大学選手権3連覇へ弾みをつけたい」と全勝に照準を定めた。

 ▽対抗戦の順位 関東協会は今季途中、対抗戦の順位決定方法について勝敗数が同じ場合は同順位とする規則を明文化した。帝京大が筑波大に負けて両校が6勝1敗で終了し、早明戦で明大が勝って6勝1敗になった場合は3校の優勝となる。全国大学選手権や入れ替え戦の出場校を決める際の序列は、2校が勝敗数で並んだ際は(1)総得失点差(2)総得失トライ数差(3)総得点などで決定、3校が並んだ場合は当該校間の対戦成績などの比較となる。

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2011年11月21日のニュース