中矢、初出場V 準決で世界王者破って頂点へ

[ 2011年8月25日 06:00 ]

男子73キロ級決勝で、エルモントを破り優勝した中矢力(下)

柔道世界選手権第2日

(8月24日 フランス・パリ、ベルシー体育館)
 初出場の中矢が金メダルに輝いた。1回戦から5試合オール一本で勝ち上がって迎えた準決勝。昨年の世界王者の秋本との対戦で「73キロ級には日本にチャンピオンがいる。どうやったらかわせるか作戦を立ててきた」と入念に準備をしてきた成果を発揮。寝技が得意な秋本を、自らも得意とする寝技に誘い込みじわじわと攻めた。大外刈りで技ありを奪って、勝負を決めた。そして、決勝では昨年2位のエルモント(オランダ)を相手に指導2回で優勢勝ちした。

 高校時代から寝技が得意で「自分はきれいな柔道ができるわけではない。武器は寝技のしつこさ」と自負。昨年のグランドスラム東京を制してから急成長。4月のアジア選手権では、世界選手権2度優勝の王己春(韓国)も破った。篠原監督も「立ち技の切れはないけれど、寝技という技を持っているヤツは強い」と認めるホープ。ロンドン五輪の金メダル最有力候補となった。

 ▼秋本啓之 優勝という目標を達成できなくて残念。調子は良かったが(準決勝の)中矢戦も3位決定戦も、勝ちたいという気持ちが相手の方が上だった。

 ◆中矢 力(なかや・りき)1989年(平元)7月25日、愛媛県生まれの22歳。愛媛・新田高―東海大。5歳で柔道を始める。昨年10月に全日本学生体重別選手権2連覇。グランドスラムは昨年12月の東京からパリ、リオデジャネイロ大会と連続優勝。得意は背負い投げ、寝技。1メートル68。

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