寺川 うれし涙の銀!世界デビュー10年で初表彰台

[ 2011年7月29日 06:00 ]

銀メダルを獲得した寺川は応援席へ向かって喜び爆発させる

水泳世界選手権第13日

(7月28日 中国・上海)
 女子50メートル背泳ぎ決勝で、寺川綾(26=ミズノ)が27秒93で、銀メダルを獲得した。非五輪種目ではあるものの、世界選手権で初の表彰台に立った。女子200メートルバタフライ決勝では星奈津美(20=スウィン大教)が自身の日本記録を0秒14更新する2分5秒91をマークしたが、メダルに100分の1秒及ばず4位。男子200メートル平泳ぎ準決勝では100メートル4位だった北島康介(28=日本コカ・コーラ)が2分8秒81の全体トップで29日の決勝に進んだ。

 2日前の悔し涙はうれし涙に変わった。「きっと1番じゃないと喜んじゃいけないんでしょうけど、自分の名前の横に3番以上の数字があるのを見て、優勝したぐらいうれしかった」。電光掲示板で2位を確認した寺川の頬に熱いものが伝った。01年の福岡大会で世界デビューしてから10年。五輪種目ではないが、念願のメダルを獲得した。

 スタートの反応時間は全体トップの0秒53。第1レーンから勢いよく飛び出した。懸命に腕をかき、キックを打った。タッチは「5メートル手前から合わせた」。27秒93。ズエワに次ぐ2位だった。

 最も得意とする2日前の100メートルは5位で悔し泣きした。「タッチが流れた」ミスで、メダルに0秒20届かなかった。「海外の選手は潜るように(伸びて)タッチしているのに、私は腕をかくままにタッチしている」。100メートル以上にタッチの技術が勝負を分ける50メートル。最後まで意識を集中させ、大きく腕を伸ばして壁を叩いた。

 代表入りを逃した北京五輪後から北島を育てた日本代表の平井ヘッドコーチの門を叩いた。同ヘッドが「綾はこっちが“やめろ”と言うまで追い込む」というほど練習に励んできた。競技生活は来年のロンドン五輪までと決めており「最後の世界選手権」と公言して挑んだ舞台で、初めて表彰台に上がった。

 レース後、落ち着きを取り戻すと「やっぱり100メートルがよかったなぁ」と言って笑った。ロンドンで狙うのは100メートルでのメダル。「悔しい思いは忘れず、100メートルでしっかり戦えるようになりたい」と1年後の表彰台を見据えた。

 ◆寺川 綾(てらかわ・あや)1984年(昭59)11月12日、大阪府生まれの26歳。3歳で水泳を始める。近大付高2年で初代表となり、01年福岡世界選手権では同じ高2の伊藤華英とともに美少女コンビとして注目される。近大を経て07年ミズノ入社。背泳ぎ50メートル、100メートルの日本記録保持者。1メートル73、59キロ。

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