故郷・仙台のために…岩田“勝つぞ”単独首位

[ 2011年4月30日 06:00 ]

「まけるな日本」のバッジを帽子につけてプレーした岩田

中日クラウンズ第2日

(4月29日 愛知・名古屋ゴルフ倶楽部和合コース=6545ヤード、パー70)
 仙台市出身の岩田寛(30=フリー)がボギーなしの1イーグル、4バーディーの64で通算9アンダーとし、初日3位から単独首位に浮上した。前日に帯同キャディーに雑な一打を怒られて目が覚めるとパットがさえた。被災地へ勇気を届けるためにもツアー初勝利を目指す。連覇を狙う石川遼(19=パナソニック)は出入りが激しいゴルフで2オーバーの72。11位から通算イーブンパーの24位に後退した。
【第2R成績】

 ツアー未勝利の岩田がボギーなしの会心のゴルフを見せた。1番で2メートルを沈めてバーディー発進すると、2番パー5は12メートルをねじ込むイーグル。パットがさえ、08年のつるやオープン第3日以来の単独首位に立った。

 何度も勝つチャンスがありながら詰めの甘さが響いた。08年のつるやオープンでは最終2ホールで連続ダブルボギーを叩き優勝を逃した。今大会初日でも18番で80センチを外しダブルボギー。マークすらしなかったのは「素振りが面倒くさいから」だったが「キャディーから“いいかげんにしてくれ。真剣にやって外れるのを怖がっているだけだ”と怒られてハッとした」。1月に30歳を迎えた男がようやく一打の大切さに気づいた。

 仙台出身。「テレビに映って、見てくれた人が何かを思ってくれれば」と言う。3月11日は沖縄合宿から地元に戻る飛行機の中で東日本大震災が起きた。飛行機は那覇に引き返し、仙台空港に止めてあった愛車は津波で流された。父・光男さんが経営するゴルフ練習場は多くのひびが入った。

 今季開幕前には義援金500万円を寄付。「今年勝たないと一生ただの人だと思っている」。愛する故郷への思いも込めて残り36ホールに向かう。

 ▼4位・桑原克典 打ってはいけない方に打たない。それが僕の和合攻略法。遼クンのようにはできないから。(地元愛知出身)

 ▼6位・薗田峻輔 きょうは大事にいった。うまく我慢ができている。パットのタッチも合っている。(今大会初出場)

 ▼37位・北村晃一 頭が真っ白にならないように、頭の中で因数分解の問題をやりながらラウンドしました。(「行列のできる法律相談所」の北村弁護士の長男。両親が観戦する中、ツアーデビュー戦で予選突破)

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2011年4月30日のニュース