すごいぞ錦織!46年ぶり快挙!格上撃破で3回戦進出

[ 2011年1月20日 06:00 ]

全豪で日本男子として46年ぶりに3回戦に進出した錦織はガッツポーズ

全豪オープンテニス第3日

(1月19日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 錦織が日本のテニス史に、また新たなページを加えた。男子シングルス2回戦で、世界ランキング82位の錦織圭(21=ソニー)が同36位のフロリアン・マイヤー(27=ドイツ)に3―1で勝ち、全豪の日本男子として65年の石黒修以来46年ぶりとなる3回戦進出の快挙を成し遂げた。錦織は得意なショット“エア・ケイ”を減らし、安定したプレーで格上に快勝。次戦は自身の4大大会最高の16強入りを懸け、同9位のフェルナンド・ベルダスコ(27=スペイン)と対戦する。

 錦織が歴史の扉を開けた。バックハンドをクロスに打ち込むと、両手でガッツポーズ。全豪の日本男子として46年ぶりの3回戦進出を決めた。「安定してミスが少なく、フォアで攻められる。理想とするテニスで勝てたのがうれしい」。世界ランク58位のファビオ・フォニーニ(23)を破った1回戦に続き格上を撃破し、満足感を口にした。

 マイヤーは多彩なショットがあるだけに「トリッキーな相手」と警戒していた。だが、2日前の全豪初勝利で「余裕も出てきて緊張も取れた」と余分な力は抜けた。相手の低いスライスに我慢を重ね、数少ない好機をフォアで決めた。第1セットは3オールの第7ゲームをブレークして勢いに乗り、第2セットまで連取。第3セットは途中から無理をせず0―6で失ったが、温存した力をぶつけるように第4セットで勝負を決めた。

 昨年末に世界王者アンドレ・アガシらを指導したブラッド・ギルバート氏をコーチに迎えた。新コーチは(1)ショットを安定させること(2)サーブの確率を上げること――を徹底。当たり前のことのようだが「基本の大切さを気付かせてくれる」と錦織。以前はジャンプしながらのフォアハンド、エア・ケイなど派手なプレーが多かったが、新コーチはレベルアップさせるため「地味なこと」への取り組みに意識を高めさせた。凡ミスの数は1回戦に続いて相手より10本以上少なく、第4セットは安定したショットで相手のミスを誘った。

 記者会見では外国人記者から「ナダル、フェデラーの次の世代を狙う1人だと思うが」と聞かれ、こう答えた。「今はレベルが違う。でも自分の世代で最初のトップ10に入りたい」。次戦は世界9位のベルダスコ戦。格上の相手から「ギルバートがついたから間違いなく上達している」と警戒された錦織は「ベスト16以上を目指したい」と力強く宣言。08年の全米オープン以来の4回戦進出へ自信を深めていた。

 ▼日本プロテニス協会石黒修副会長 こんなに長い間、日本選手が全豪の3回戦に進出していなかったとは知らなかった。錦織君については故障があって心配していたので、本当にうれしい。最近はサーブが良くなっている印象です。スピードも増しているし、コントロールも良くなっている。セカンドサーブが、相手がレシーブで攻めづらいところに入っていた。われわれの頃はオープン化(4大大会のプロ参加)前で、4大大会は全仏以外すべて芝のコートでした。私は3回戦でオーストラリアのストール(4大大会2勝)に完敗しました。錦織君の次の相手は強敵ですが、倒す可能性は十分あると思う。(自宅でテレビ観戦)

 ◆錦織 圭(にしこり・けい)1989年(平元)12月29日、島根県生まれの21歳。5歳からテニスを始める。日本テニス協会の盛田正明会長が主宰する「盛田ファンド」で金銭面の援助を受け、03年から米国で活動。07年10月にプロ転向し、08年2月のデルレービーチ国際選手権で松岡修造以来、日本人16年ぶり2人目のツアー優勝を果たす。同年の全米オープンで日本男子71年ぶりの4回戦に進出。09年3月から右肘故障で1年以上のブランクがあったが復活した。1メートル78、70キロ。

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