全仏女王に「走らされた」…伊達40歳力尽く

[ 2010年9月30日 06:00 ]

ショットをミスし、がっくりのクルム伊達

 40歳の快進撃はついにストップした。女子テニスの東レ・パンパシフィック・オープン第4日は29日、東京有明テニスの森公園で行われ、シングルス3回戦で、世界ランキング67位のクルム伊達公子(40=エステティックTBC)は今年の全仏覇者で同8位のフランチェスカ・スキアボーネ(30=イタリア)に3―6、3―6でストレート負けし、ベスト8入りはならなかった。森田あゆみ(20=キヤノン)と組んだダブルス1回戦も第1シードのヒセラ・ドゥルコ(25=アルゼンチン)フラビア・ペンネッタ(28=イタリア)組に2―6、5―7で敗れた。これで日本勢はすべて姿を消した。

 奮闘を続けてきたクルム伊達も、今年の全仏女王には力負けした。「彼女は私との戦い方をよく知っていた。スピンを使ったり、ワイドに展開されたりして、走らされた」。1回戦で世界15位のシャラポワ、2回戦で同29位のハンチュコバを下した40歳1日のスーパーウーマンは、3日連続で最高のパフォーマンスを発揮することはできなかった。
 第1セット、最初のゲームをブレークした。万全なコンディションならそのまま波に乗れたかもしれない。だが、強打にスライスを織り交ぜた相手の多彩な攻撃に揺さぶられ、第2ゲームから5ゲーム連続で失った。3―6で落とすと、第2セットも中盤までは競り合いながらも、最後は押し切られた。
 2日連続の激戦による疲労は、最大の武器を奪った。ボールの跳ね上がり際を叩くライジングショットはコートの中に踏み込んで打つ必要があるが、足が思うように動かない。「あと一歩が出なかった。40歳だから仕方がないけど、体力的にいっぱいいっぱいだった」と小浦コーチ。前夜はいつも通り入念なマッサージを受け、誕生日のケーキすら口にしなかったが「朝から少し疲れがあった。腰に張りも出た」と十分な回復には至らなかった。
 ただ、万全な体調なら世界のトップと互角に戦えることを証明したのは確か。「(20歳の森田)あゆみちゃんはほぼ半分ですし、ありえないことをしていると自分でも思う。敵は相手と自分の体の2人。この課題には常に向き合っていかないといけない」。40歳の挑戦はまだまだ続く。

 ≪次戦は中国OP≫東レの大会を終えたクルム伊達は30日にも北京に向けて出発し、10月2日開幕の中国オープンに出場することを明かした。同日程で行われるツアー下部大会の楽天ジャパン・オープンには出場しない。その翌週は日本に戻り、大阪で開催されるHPオープンに出場。韓国オープンから4週連続でのツアー大会出場となる。

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2010年9月30日のニュース