NHK経営委の会見要旨 相撲中継めぐる発言載せず

[ 2010年7月2日 22:02 ]

 大相撲の賭博問題で注目される名古屋場所中継について、NHKの小丸成洋経営委員長が6月22日の会見で「中継しないわけにはいかない」と述べたのに、経営委員会事務局が作成した会見要旨では「個別番組のことに対しては何も言えない」などと記されていることが2日、分かった。

 小丸委員長は会見で「国技なので中継しないわけにはいかないだろう。何らかの形でNHKがコメントしなければいけない」と述べた。ところが、28日にホームページで公表された会見要旨では「個別番組のことに対しては何も言えない。NHK執行部としてのコメントをすればよいのではないか」と要約された。
 経営委事務局は「会見では(中継中止の可能性について)『わたしはそういうことに対しては言えない』とも答えており、そちらに真意があると解釈した」と説明。
 会見から要旨公表までの間には、NHK執行部の日向英実放送総局長らが23日に「今のままでは放送は難しい」と中止も含めて検討する意向を示していた。
 武田徹恵泉女学園大教授(メディア論)は「恣意的との疑念を抱かせかねない編集ではないか。音声データにアクセスできるなど透明化を図る工夫が必要」と指摘する。
 経営委員会は放送法に基づき、企業経営者や学識経験者でつくる最高意思決定機関。同法で「個別の番組の編集」への介入は制限されている。

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2010年7月2日のニュース