21歳突然の引退…狩野舞子ビーチ転向も

[ 2010年7月2日 06:00 ]

度重なる故障で引退を発表した狩野舞子はビーチ転向の可能性も

 バレーボール女子元日本代表の狩野舞子(21)が、ビーチバレーに転向する可能性が出てきた。プレミアリーグの久光製薬は1日、狩野舞子の現役引退を発表。アキレス腱やひざなどの故障が理由だが、中学3年で日本代表入りした逸材の実力を以前から高く評価していたビーチバレー界からは早くもラブコールが届いた。また、久光製薬は狩野舞子の他、姉の狩野美雪、大村加奈子、日本代表リベロの佐野優子ら計6選手の退団を発表した。

 ビーチバレー界の動きは素早かった。以前から狩野舞の実力を高く評価し、ラブコールを送ってきた日本ビーチバレー連盟の川合俊一会長は、この日の引退発表前に早々と“狩野舞引退”の噂をキャッチ。すぐさま狩野舞本人にビーチ転向を打診した。川合会長は「声はかけた。興味がないわけではない、とのことだったが、今は考えられないと言っていた」とそのやりとりを明かした。
 中学3年で日本代表入りした逸材だが、ケガに泣かされ続けた。腰やひざに故障を抱えている上に、08年の右アキレス腱断裂に続いて、今年1月には左アキレス腱も断裂。当面はプレーできる状態にはないため、21歳にして引退を決意した。狩野舞は久光製薬を通じて「ケガをしてばっかりでほとんどプレーできず申し訳ない気持ちでいっぱいです」とコメントした。
 久光製薬の関係者は「度重なるケガでモチベーションが下がっていた。一度バレーボールから離れたいということだった」と説明。今後は治療に専念することになるが、狩野舞は「同じことを繰り返さないよう、しっかりリハビリを頑張りたいと思います」とも話しており、故障完治後、再びコートに戻る可能性もあるという。
 1発目の“オファー”はやんわりと断られたビーチ界だが、簡単にあきらめるわけにはいかない。日本協会の瀬戸山正二ビーチ強化委員長は「身長が高くて強烈なスパイクも打てるし、守りもできる。砂の上は衝撃も小さいので、ひざへの負担も少ない。是非ビーチに来てほしい」と今後もビーチ転向を訴えていく方針だ。2012年ロンドン五輪という新たなモチベーションも生まれるだけに、大山加奈に続いてコートを去ることを表明した元日本代表選手の今後が注目される。

 ◆狩野 舞子(かのう・まいこ)1988年7月15日、東京都三鷹市生まれの21歳。八王子実践中3年時に初めて代表候補入り。八王子実践高を経て、07年に久光製薬に入団。09年に5年ぶりに代表に選出された。1メートル86、68キロ。

 ≪大山妹・未希は今月末デビュー≫先日引退を発表した大山加奈の妹・未希(24)がビーチバレーに転向し、今月末に韓国で行われるエキシビションマッチで、尾崎睦美と組んでデビューすることになった。加奈とともに所属していた東レを昨季限りで退団し、6月にビーチバレーの選手登録を済ませた。ビーチバレー界に春高バレーやプレミアリーグで活躍した有望な選手がまた新たに加わった。

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2010年7月2日のニュース