「残ったと思った」朝青龍、判定に怒り心頭

[ 2008年9月21日 20:36 ]

豊ノ島に敗れ3敗目を喫した朝青龍

 【大相撲秋場所8日目】立ち合いの手つきに続き、今度は朝青龍の足が物議を醸した。良くも悪くも、この横綱の相撲からは目が離せない。

 左四つから右の巻き替えに失敗し、豊ノ島の寄りに土俵際へ詰まった。右足が俵の上に乗った。最も近いところから見て、右手を挙げて勝負を止めた正面の三保ケ関審判長(元大関増位山)は「あれは(かかとが)出ている。目で確認した」。

 気付かず逆襲に転じ、寄り切ったつもりでいた朝青龍は怒り心頭だ。ものすごい形相で審判長をにらみ付ける。西の支度部屋へ戻ると「足は出ていたか?」と安馬にモンゴル語で問い掛け、風呂場では「ダーッ!」と絶叫。「出たの? 出てないの? 残ったと思ったんだよな。何だ、この野郎」と興奮冷めやらぬ表情でまくし立てた。

 取組後、相撲協会には「足は残っている」との抗議電話が約20件。判定に納得いかないのは仕方ないが、問題はそこに至る過程だ。右上手は簡単に切られ、取り口に全く流れがない。負ける時は際どくもつれることの多い朝青龍が、あっさり土俵を割ることは珍しい。

 これで3敗目。優勝争いから大きく後退しただけでなく、前途多難をあらためて印象づける負けっぷりだ。「納得いかねえよ。たまったもんじゃない。今の気持ちは真っ白だ」と定まらない視線で不満を並べた。それは、ふがいない自分に対する怒りにも思えた。

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2008年9月21日のニュース