さくら ジョンと一緒に勝ちたいの

[ 2008年9月14日 06:00 ]

横峯さくらは9番ホール、キャディのジョン・ベネットさん(右)と話しながらパットラインをよむ

 女子ゴルフツアーの日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯第3日は13日、石川県加賀市の片山津ゴルフ倶楽部白山コース(6545ヤード パー72)で行い、横峯さくら(22=エプソン)は6バーディー、1ボギーでこの日のベストスコアとなる67をマーク。通算5アンダーで日本人最高位の3位につけた。辛ヒョンジュ(28=韓国)が通算10アンダーでトップを堅持し、通算6アンダーの申智愛=シン・ジエ=(20=韓国)が2位。横峯は相性抜群のキャディー、ジョン・ベネット氏(36=ニュージーランド)とのコンビで5打差からの逆転優勝に挑む。

【第3R】

 さくら「私はスライスだと思う」
 ジョンさん「僕はフックだと思うな」
 2人「じゃあ、真っすぐでいこう」
 15番パー4での3メートルのパーパット。優勝への望みをつなぐためにも大事な1打。安易な選択にも思えるが、息もぴったりの“さくらとジョン”に不安はなかった。結果的にボールは微妙にスライスしながらカップの右側から決まった。ジョンさんと目を合わせた横峯はニッコリとほほ笑んだ。
 今季開幕戦から始まった2人のコンビは、全米女子オープンも含めて今大会が6試合目。男子ツアーでD・スメイルのバッグを担ぐプロキャディーのジョンさんは、男子ツアーのない時に横峯のバッグを担ぐ。これまで家族や友人、マネジャーらさまざまな人にキャディーを任せてきた横峯だが「自分じゃなくて選手が一番という感じで話してくれる。ボギーやダボを叩いても前向きにさせてくれる」と、ジョンさんへの信頼は一番といっていい。
 自分の考えも伝えてくれるが、常に横峯の意見を尊重してくれる。父・良郎氏の“圧政型”に慣れてきた横峯にとって、キャディーとの新しい形の信頼関係だった。1Wで右へのミスが頻発した前日には、練習場で「もっと左手を長く使えばいいんじゃない」とアドバイスを受けてショットが安定。この日はパットもさえて67の好スコアを叩き出した。
 今後は男子ツアーも連戦となるため、ジョンさんとのコンビは今大会を含めて残り4試合。
 さくら「できたらジョンと勝てたらいい」
 ジョンさん「彼女はすごくいいボス。僕もぜひ一緒に勝ちたい」
 5打差は決して小さくはないが、“さくらとジョン”は必死に上位の背中を追いかける。
 ▼ジョン・ベネット 1972年2月5日、ニュージーランド生まれの36歳。01年のオーストラリアツアーで、プロゴルファーとしての勉強のためにスメイルのキャディーを務める。その初戦でスメイルのツアー初優勝に貢献し、プロキャディーに。同選手の専属としてオーストラリアツアーで2勝、日本ツアーで5勝を挙げている。横峯とは片言の日本語と英語で会話している。

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2008年9月14日のニュース